【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】Ⅱ (ページ2)

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土門からボールを受け継いだ豪炎寺と、壁山の新必殺技である"イナズマ落とし"は不発だった。高所恐怖症の壁山は一度の失敗で弱気になってしまったようで、俺には出来ないと弱気になってしまう。

『壁山くん…』

取られたボールを取り返すべく自陣に戻る仲間を横目に、白石は落ち込む壁山を見る。。

その間にも野生の本能が爆発した野生中サッカー部。
雷門はその驚異的な身体能力についていけず、容易くボールに触れることもできない。せっかく相手から奪ったのマイボールも、豪炎寺と壁山の連携の失敗で相手ボールになってしまう。

野生中のシュートの雨に、円堂はひたすらゴールを守り続けた。

そこで前半終了。
0対0まま、後半に賭けることとなる。

ーーーー

ハーフタイムに入ると、白石は雷門のベンチから抜けて御手洗いへと向かっていた。

『(壁山くんをどうにかしなきゃイナズマ落としは成功しない。……守に諭されても無理そうだし、豪炎寺くんもそろっとまずそうだ)』

豪炎寺と影山の新必殺技について。詳しく言えば、影山のことが気がかりな白石が思考を巡らせていると、休憩前ポケットに入れていた携帯が揺れた。

こんな時に誰だ、と開いて確認して表示された名前に白石は目を見開く。
そして通話のボタンを押してその電話に応えた。

『はい、白石です』

＜久しぶりだな。＞

『ほんとだよ。で、どうしたの?FF予選の真っ最中だって知らない君じゃないよね。………鬼道くん』

誰も居ない廊下の壁に寄りかかって、彼の言葉を待つ。

＜安心しろ。
そちらの試合までには終わる用事だ＞

『それならいいけど。その用事ってなにかな』

＜……＞

『鬼道くん?』

だんまりになった彼に聞こえてないのかと声をかければ、＜笑うなよ＞と一言飛んできた。『笑わないよ』と返すと、ぽつりと溢れた彼の声

＜＿＿……声が、聞きたくなった＞