15 ページ15
Aside
クズリューに近づき、アグニの方を見ながらニラギが言う。
「俺たちは裏切り者を始末する汚れ役をやらさせれてきた、なのに今まで日陰もの扱いだった」
「こんな不公平も今日で終わりだ！」
私が外で見た人たちはこの楽園で言う裏切り者で、それを処理していたのはやっぱり武闘派だったんだ。
「No. 1が死んだ場合、全員が繰り上がるルールだったはずだ」
クズリューがニラギに対抗する。
「王様気取りの独裁者が死んだんだ、政権交代だろ！」
ニラギはちっとも引こうとしない。
どれだけ自分の大将をトップにしたいんだろう。
「ここは民主主義で多数決といこうじゃねえか」
ニラギから民主主義という言葉が出た。
全く似合わない言葉だ。この人に、いやこの世界に民主主義なんて言葉はない。
「アグニ大将がリーダーで賛成の人」
暫く待ったが、手を挙げる人なんていない。
勿論私もそう。武器で支配するビーチなんてどうなるか考えたくもない。
「フッ...反応が悪りぃな」
不機嫌になったニラギが周りを見渡す。
そして「ラスボス」と言いながら眉毛をあげた。
ラスボス、今まで関わりは無かったけど全身に刺青を入れた男。手には長い剣を持っていて明らかに柄の悪そうな人だ。
ラスボスはニラギからの指示があった途端に剣を抜いて、アンに近づいた。
剣をアンに向けお腹から上へゆっくり動かし、首で動きを止めた。
「もう一度聞く大将がいい人？」
ニラギがもう一度問いかける。
やっぱり、民主主義なんて無い。どんな手を使ってでもアグニをNo. 1にさせる気だ。
剣を向けられたアンがラスボスを睨むが、このまま突っ立ってても事態は何も変わらない。
呆れたようにアンが手を挙げる。きっと誰でもそうするだろう。
「こんなの、多数決じゃ無いでしょ」
一瞬は我慢しようとしたけど、あまりの理不尽さに正論をぶつけたくなって私はみんなに聞こえる声で言った。
「立派な多数決だろ」
私の声を聞いた瞬間ニラギが笑みを浮かべながら近づく。
そして片手で私の顔を掴み、目を合わせてくる。
「投票はご自由に、Aチャン。」
そう言ってもう片方の手にあった銃を私の首へ向ける。
さっきまでアンに向けられていたラスボスの剣まで私に向く。
反抗したら殺されると確信した私は仕方なくニラギを睨みながらゆっくり手を挙げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 256人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ayn. - クイさん» 初コメありがとうございます♡とっても嬉しいです！これからも頑張りますのでよろしくお願いします✨ (2023年2月17日 17時) (
レス) id: 6fff18c5cc (このIDを非表示/違反報告)
クイ(プロフ) - 初コメです！キュンとしたりハラハラしたりめちゃくちゃ面白いです！更新楽しみにしています！ (2023年2月15日 22時) (レス) id: 5923468ba0 (このIDを非表示/違反報告)
ayn. - あかねさん» 初コメありがとうございます🎵めちゃめちゃ嬉しいお言葉すぎます♡これからも楽しんでいただければ幸いです！よろしくお願いします✨ (2023年2月7日 20時) (レス) id: 6fff18c5cc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 初コメ失礼します！この小説すっごく面白くて大好きです🥺更新大変だと思いますが、これからも頑張ってください💪 (2023年2月6日 6時) (レス) @page8 id: b290921bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ayn. - 金成さん» ご報告ありがとございます（ ; ; ）早急に外して参りました、教えてくださらなかったらそのままでした、本当にありがとうございます(>_<) (2023年2月5日 20時) (レス) id: 6fff18c5cc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ay. | 作成日時：2023年2月4日 20時
