消えたがり 【3年A組】

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いつものように覗き込むその顔に、初めて恐怖を覚えた


「せん、せい」

柊「…大丈夫か？」


いつものように先生が私に手を伸ばす

でも…コワイ



「…いやっ！」

柊「！！」



先生の驚いた顔の中に、一瞬悲しい色が見えた

私…最低だ





「すみません、先生、すみません…」

柊「…いや、Aは悪くないよ」





外に出るように促され、震える足に鞭を打ち、そろりとドアから外を見る


クラスメイトが叫んで助けを求めている




柊「むーだーだーよ！

みんな、自分のことでそれどころじゃない

さぁ、教室に戻ろうか」


また爆発しないうちに、と言いながら先生は私の背中を軽く押す





先生の話によると、今の爆発によって教室、トイレ、美術室にしか行かなくなったらしい

しかも学校のいたるところに爆弾があるらしい

そして、この教室にも





恐怖からか、大人しくみんなが席につく



そんな私たちに背をむけながら、先生は窓の外を楽しそうに眺める





「みんな走ってる走ってる！

もう2、3個爆発させないと緊張感でないかなーとか思ったけど、結構みんな必死に逃げてくれてるね」



席に戻ったみんなは携帯を使おうとするが、先生がそれを禁止し、鞄とスマホを回収すると言い出した



そして、その順番は私までまわってきた



柊「A、出して」




…わかってる、出さなきゃいけないこと

でも、手が震えてうまく鞄のチャックすら開けられない



柊「A、大丈夫だから」




先生がいつもの声で言うけれど、私の震えは収まらない




柊「…A」




先生が手を伸ばし、私の頭を撫でようとする






けれど




パチン





甲「…触んなよ、犯罪者」





…なんで、甲斐くんが止めるの…？





柊「…へぇ、そうか」




…なんで先生もニヤニヤしてるの？





結局先生が私のスマホも鞄も回収していった

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