消えたがり 【3年A組】

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なんとなく宇佐美さんと茅野さんが気になったけど、結局私は自分の席から動くことなく

ただ俯いて座っていた





茅「全国大会の会場に、逢沢くんもいたよね…」


今の声、茅野さん…？




逢「え、俺疑われてんの？」


茅「あ、違う違う！

逢沢くんは澪奈のことで、映画製作も中止になっちゃったし…

どっちかといえば被害者でしょ？

私が聞きたいのは、他の男子のこと」


ほとんどのクラスの人が廊下の声に耳をすましている



茅「…会場にさ…里見くんも、いたよね？」


なんで…？

サッカー部の里見くんが、なんで？



逢「あぁ、没収されたビデオカメラにも映ってると思う」


すると、水越さんや諏訪さん、小宮山さんが立ち上がり、廊下にでた


水「今の話本当？」

諏「ハブられた奴らが何やってんのかと思ったら、探偵ごっこかよ」

小「あれ？Aさんは、そのグループからも除け者なの？」



クスクスと嫌な笑い方で笑われる


私は何も言わずに、俯いて目をとじた






反応がない私が面白くなかったのか、諏訪さんは大きな音を立てて舌打ちした

そして、再び視線を茅野さんたちにむけた



諏「里見、あんた疑われてるよ」

里「あ？」

小「名推理聞かせてよ」


小宮山さんに押されて茅野さんが教室に入る

後ろで心配そうに宇佐美さんが見ている


…2人、仲良くなれたのかな…



茅「いや…全国大会の会場にいたよね？観客席に

…ジャージ着て」

須「おい、どういうことだよ」

真「そういえば大会の日、ジャージの上着里見に貸したんだっけ」




思い出したように言う真壁くん

なんでも、真壁くんは当日忙しく、たまたま会場にいた里見くんに手伝ってもらっていたらしい









兵「たまたま、会場にね？

たまたま(・・・・)」




ほんとにたまたまなのかな…？


兵頭くんの茶化すような態度を軽く笑い、里見くんは彼のおでこにデコピンをした



里「…ふっ

試合が中止になって、暇になったから観に行っただけだよ」




どこまでも余裕そうな態度


…なんだかいつもと違うような雰囲気がして、里見くんを見ることができなかった

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