検索窓
今日:42 hit、昨日:117 hit、合計:1,341,588 hit

ページ40

NO side


美術室に戻ってきた柊

けれど、その後ろには甲斐、石倉、里見、真壁がついて来ていた



里「中尾はどこだ!」


甲「俺たちを脅すために、殺したように見せかけただけだろ?」



他も同調するように頷く





柊「……ふはははっ」



柊は軽く馬鹿にしたように笑う



甲「…何がおかしい!?」



柊「…俺は、優しい人間に思われてるんだな

…ちょっと待ってろ」






柊はそう言って準備室に入る





戻ってきた柊の手には、何かが握られており、それは白い布にくるまれている





ボタッ





それが鈍い音がして落ちる




「…うわっ!」




落ちた拍子に布から中身が現れ、それを見た男子は小さく悲鳴をあげる


それは、切断された人間の手だった



柊「……中尾のだよ



ホルマリン漬けにすれば死臭も少ない」




淡々と語る柊に対し、すでにいくらか後退し始める男子






柊「ちょうど明日には、全部切断できる




……やるよ」




甲斐「ざけんな…!」




甲斐たちは一目散に美術室から逃げ出した








柊「……なーんちゃって」



おどけたように呟く柊の声は生徒たちには聞こえなかった







柊は美術室の奥のモニターが設置された部屋へ入る



教室、廊下、トイレ



様々な場所に仕掛けた監視カメラの映像が流れている



ふと、1つの映像に目を向けると、1人の女子生徒が小さく歌っている



柊はそのカメラの音量を上げた



「…シャボン玉飛んだ

屋根まで…飛んだ…

屋根まで飛んで…

こわれて…

消えた



シャボン玉消えた…

飛ばずに…消えた…

産まれてすぐに…

こわれて…

消えた…





風、風、吹くな…

シャボン玉飛ばそ…」




童謡 シャボン玉



それを歌う彼女の声はまだ幼くて、悲しさであふれていた

またそれを聞く柊も悲しげな顔をしていた



「いいな…シャボン玉…」



その呟きに柊はため息をこぼす







そんなことも知らずに、その少女は瓦礫の前に座り込み、寝るような姿勢をとった



その少女の髪はクルリと愛らしく揺れていた

3月3日→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (425 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1616人がお気に入り
設定タグ:3年A組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

sei(プロフ) - 楽しんで読ませてもらってます!私にもその文才欲しいくらいです。・゜゜(ノД`) (2019年3月21日 17時) (レス) id: cd07a6348c (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 諸行無常系女子さん» ありがとうございます!頑張りますね( ̄^ ̄)ゞ (2019年3月18日 18時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
諸行無常系女子 - 楽しく読ませてもらってます!これからも頑張ってください(*^o^*) (2019年3月18日 14時) (レス) id: 30d23c8fcb (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - ラビットさん» ありがとうございます!ラビットさんのお言葉、とっても励みになります! (2019年3月17日 23時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット(プロフ) - ものすごく面白くて続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年3月17日 19時) (レス) id: 80ad6ef553 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年3月14日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。