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ページ39

茅野side



どうしてもAちゃんに確かめたいことがあって

でも彼女は教室にいなかった





茅「どこ…?」





廊下を出てキョロキョロしていると、本当なら3年B組に続くはずの廊下

つまり先生が昨日の朝爆発させてできた瓦礫のほうを向いてAちゃんは立っていた



茅「Aちゃん…あの…」



名前を呼んでも振り返りもしない

あれ?いつもなら肩をびくつかせたりするのに…



茅「Aちゃん…聞こえてる…?」



返事が…ない…?



いつも、何を言われても、無視するような人じゃなかったのに



不安になって顔を覗き込むと、Aちゃんの目は瓦礫を写していなかった


…いや、何も写していなかった




茅「Aちゃん、Aちゃん」



怖くなって名前を呼ぶ

でも、返事をしない



このままじゃいけない


直感でそう思い、思いっきり肩を掴んで揺らした


茅「Aちゃん!」

「うわっ…!」


虚ろだった目に私が写る

でもすぐに視線を晒されてしまって…



「ご、ごめん…なさい…」

茅「…大丈夫?呼んでも返事なくて…」

「か、考え事…してて…」






私の足元を見ているAさん

…やっぱり1番聞きたいことを聞かなきゃ




茅「Aちゃん…

自分は死んでも構わないって思ってるの?」


「…甲斐くんと同じこと…聞くんだね…」



甲斐くんが?

まぁ、いっか…



茅「ねぇ、どう思ってるの?」

「…茅野さんにも…甲斐くんにも…関係ない」

茅「そんなことない!」




澪奈のことを救えなくて

もう二度と後悔したくなくて

…なのに…




茅「…お願い!

そんな風に考えないで…!

きっと、きっと!

Aちゃんの無事を願ってる人がいる!

私はその内の1人だから…!

だから、だから__________」


「綺麗事…言わないで」


すごく冷たいAちゃんの声が私の言葉を遮った

どうして…そんな冷たい目をしてるの…?



「私は…茅野さんとも…景山さんとも…違う

別に…自分なんて…どうでもいいの…

お願いだから…関わらないで」


茅「どうして…?どうしてそんなこと言うの…?」


「…あと、私は死にたいんじゃなくて…

消えたいの…」


茅「…え?どういう…?」


「何も残らず…何も感じず…

ただ…消えたいの…」



意味がわからず固まる私に、Aちゃんは今まで見たことがなかった笑顔を浮かべる



「綺麗に消えたいな…なんてね」




儚げな彼女は美しくて、消えそうで、怖くて

私は瓦礫の前にいる彼女からゆっくりと離れて教室へ戻った

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sei(プロフ) - 楽しんで読ませてもらってます!私にもその文才欲しいくらいです。・゜゜(ノД`) (2019年3月21日 17時) (レス) id: cd07a6348c (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 諸行無常系女子さん» ありがとうございます!頑張りますね( ̄^ ̄)ゞ (2019年3月18日 18時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
諸行無常系女子 - 楽しく読ませてもらってます!これからも頑張ってください(*^o^*) (2019年3月18日 14時) (レス) id: 30d23c8fcb (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - ラビットさん» ありがとうございます!ラビットさんのお言葉、とっても励みになります! (2019年3月17日 23時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット(プロフ) - ものすごく面白くて続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年3月17日 19時) (レス) id: 80ad6ef553 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年3月14日 20時

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