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ページ38

甲斐side


俺がまだダンスをしていた頃


大会の応援席にいた、1人の女の子に一目惚れした


茶髪で髪の先にカールがかかっていて、1人でダンスを眺めながら軽くリズムを取っている




自分の出番が終わった頃にはもういなくて、まぁ仕方ないかって思ってた




でも

「A…A…です…

よろしく…お願いします…」


高校の1年のときに、また出会えた



会場で見たときと全然雰囲気が違って、別人かと思ったほどだった


でも、あの髪の毛


クルリと柔らかくカールしたそこは間違いなく彼女だった



甲「なぁ、ちょっと放課後いいか?」

「え…あ…う、うん…」



俺と付き合ってほしい


ストレートにそう伝えた



でも…



「ご、ごめんなさい…」

甲「なんで?」

「な、なんでって…言われても…」




明確な理由もなく断るのかよ

お前、最低だな



そんな風に彼女が傷つく言葉を並べて、一方的に帰った



それから俺は彼女を見るたびに、少しずつ嫌がらせをするようになった

落書きから始まり、物を隠したり


ただ、俺を見てほしかった



でも、俺は目立つやつだから、周りにいた奴らも俺と同じようにあいつに振る舞いだした


周りは怖くて助けられない



Aも最初は抵抗するような素振りを見せていたけれど、徐々にそれがなくなっていった


ただ悲しげな顔で、淡々と俺たちがすることを受け入れるようになってしまった



「反応ないの、つまんねぇなぁ」
「もっとやってもいいんじゃね?」



これがAに対するイ ジメの始まりだった





_____どこかでわかっていた、俺のせいだと




“ お前のせいだ ”


そう言われたほうが楽だった





でも…今日、不安になった




甲「お前…死にたいの…?」


いつもの悲しそうな目が俺を見上げる



甲「さっき、爆発させるって脅されたとき…

お前だけあいつの側に置かれたとき、“ 自分なんて消えても構わないって思ってる ” って…

あれ、まじ?」



“ そんなわけない ”

そう言って欲しかったのに…




「…甲斐くんには…関係ない…から…

…ごめんなさい」



そう言ってAは教室を飛び出していった


俺の手は、Aの手を掴めず、空をきった




甲「関係ない…か…」




そりゃそうか…


あいつは生きてるのに、俺は謝ることもできずにここにいる



甲「…どうすっかな…」




なぜかはわからないけれど、無性に怖かった


あいつを俺が消してしまいそうで、怖かった

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sei(プロフ) - 楽しんで読ませてもらってます!私にもその文才欲しいくらいです。・゜゜(ノД`) (2019年3月21日 17時) (レス) id: cd07a6348c (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 諸行無常系女子さん» ありがとうございます!頑張りますね( ̄^ ̄)ゞ (2019年3月18日 18時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
諸行無常系女子 - 楽しく読ませてもらってます!これからも頑張ってください(*^o^*) (2019年3月18日 14時) (レス) id: 30d23c8fcb (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - ラビットさん» ありがとうございます!ラビットさんのお言葉、とっても励みになります! (2019年3月17日 23時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット(プロフ) - ものすごく面白くて続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年3月17日 19時) (レス) id: 80ad6ef553 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年3月14日 20時

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