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茅野side
私の目の前には、新品のパンが1つ
さっきAさんがくれたもの
「確かに…なんであいつじゃないんだろう」
「あんなに側にいたのにね」
「ブッキーの贔屓なんじゃない?」
彼女が教室を飛び出した途端に始まる悪口
今日の朝、先生と一緒に教室に入ってきたから、みんなの中で勝手な想像が膨らんでいく
「え、付き合ってるとか?」
「キモッ!本当に変態じゃん笑」
「ブッキーもだけど、Aもキモいね」
…みんな不安なんだろうけど、それを悪口っていう形でAさん1人にぶつけるのって…
私はみんなの悪口が聞きたくなくて、教室を出た
すると、廊下の壁にもたれかかるようにして座り込み、顔を伏せているAさんがいた
茅「あ、Aさん…!」
「…茅野…さん」
茅「あの、さっきはありがとう
それに昨日も、私のこと、助けてくれようとしたんだよね?」
Aさんの言葉に少しだけ救われたような気がしていた
私が原因じゃない
彼女はそう言ってくれた
茅「あの、今までAさんのイジ メのこととか、見て見ぬ振りして…ごめんなさい」
私は結局澪奈のときと変わらなかった
Aさんは黙って下を向いていた
「別に…私のこととか…放っておいて…」
茅「でも、私は救われたから!
それに、ひどいこと…したと思うから」
澪奈をみんなが無視しているときも、Aさんだけは、澪奈と一緒にいた
Aさんはみんなに無視されても、悪口を言われても、黙って学校に来ていた
…私には、そんな勇気、なかった
「…どうでも…いいの」
茅「…え?」
「無視される…とか、悪口言われる…とか、物が無くなる…なんて…日常だったから…
…別に…私がいなくても…誰にも関係ないから」
なんだか聞いてて苦しくなって
目の前のAさんが消えてしまいそうで
私は背中を向けようとするAさんの手を掴んだ
Aさんはビクリと肩を揺らした
「…!何…?」
茅「えっと…関係なくないから」
「…意味が…わかんない…」
茅「ねぇ!Aちゃんって呼んでいい?」
「…好きに…して…」
消えそうな声でそう言われ、するりと手が離れてしまった
結局、私がAちゃんの目を見ることはできなかった
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sei(プロフ) - 楽しんで読ませてもらってます!私にもその文才欲しいくらいです。・゜゜(ノД`) (2019年3月21日 17時) (レス) id: cd07a6348c (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 諸行無常系女子さん» ありがとうございます!頑張りますね( ̄^ ̄)ゞ (2019年3月18日 18時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
諸行無常系女子 - 楽しく読ませてもらってます!これからも頑張ってください(*^o^*) (2019年3月18日 14時) (レス) id: 30d23c8fcb (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - ラビットさん» ありがとうございます!ラビットさんのお言葉、とっても励みになります! (2019年3月17日 23時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット(プロフ) - ものすごく面白くて続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年3月17日 19時) (レス) id: 80ad6ef553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年3月14日 20時