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ページ20

…ここどこ?



何があったっけ…?




柊「起きたか?」

「ひっ…!」




…びっくり…した…





「あ、あの…ここって…?」

柊「あぁ、美術室の奥だよ」




ここって、こんな場所だっけ…?



たくさんのモニターが暗い部屋の中で光ってる





体を起こそうと思うと、腹部に痛みが走った



「痛っ…!」

柊「…悪い、痛かったよな、それ」



先生が私のお腹に手を伸ばす






…コワイ



思わず体を強張らせ、ギュッと体を縮める




柊「…ごめん」

「ちが…くて…その…すみません」

柊「…お前は悪くないから」




先生がそっと私の拳に手を伸ばす


ビクリと大げさなほどに体が揺れる





柊「A、俺は、誰だ?」



ゆっくりと区切りながら先生は私に話しかける




「柊、先生…です」


柊「そうだ、柊だ

美術部の顧問で、お前の担任だ」





震えが少しずつ収まってくる

それでも、先生を見ることが出来ず、私の視線は先生に繋がれた私の右手に向けられたまま





柊「…A、目線」


「む、むりです…」





はぁ…とため息をつく先生

そのため息1つも、私にとっては恐怖だった




そういえば…



「あの…中尾くん…って…?」


柊「…約束だったからな」




…結局、私はまた、誰も助けなかった




「どうして…?どうして…私じゃないんですか?」


柊「…A」


「中尾くんには…水越さんがいて…家族がいて…悲しむ人がいる…

どうして…私じゃないんですか?

どうして…私の手を握るんですか?」


柊「お前が死んでも悲しむ人はいる」


「…いないです」





涙が滲んで、視界が歪む




どうして、私は生きてるの?

どうして、景山さんは死んでしまったの?





「もう、わかんない…」





苦しくて、苦しくて、苦しくて




呼吸が浅くなる





柊「…A、深呼吸しろ」


「このまま…消えたら…いいのに…」


柊「…ん?」


「景山さんに…言ったことが…あります


“ 死ぬんじゃなくて、消えるのがいいね ” って」






「苦しいよ…A」
「ごめんなさい…何もできなくて…」
「死んだら…どうなるのかな…」
「死ぬの…って…嫌じゃない…?」
「…だって苦しいよ、もう」
「違うの…死ぬんじゃなくて、消えるのがいいなって…」
「…よくわかんないや」
「ごめんなさい…」




本当に、今こそ消えてしまいたいよ

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sei(プロフ) - 楽しんで読ませてもらってます!私にもその文才欲しいくらいです。・゜゜(ノД`) (2019年3月21日 17時) (レス) id: cd07a6348c (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 諸行無常系女子さん» ありがとうございます!頑張りますね( ̄^ ̄)ゞ (2019年3月18日 18時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
諸行無常系女子 - 楽しく読ませてもらってます!これからも頑張ってください(*^o^*) (2019年3月18日 14時) (レス) id: 30d23c8fcb (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - ラビットさん» ありがとうございます!ラビットさんのお言葉、とっても励みになります! (2019年3月17日 23時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット(プロフ) - ものすごく面白くて続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年3月17日 19時) (レス) id: 80ad6ef553 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年3月14日 20時

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