消えたがり 【3年A組】

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柊「お前ら、これがあるってこと忘れるなよ？」



先生が腕時計をちらつかせる



柊「さて…誰にしようかな…」


石「そんなに殺してぇならよぉ……



そ、そんなに殺してぇなら、茅野やれよ！」




私の体がピクリとゆれた



…なんで、茅野さんなの






石倉「なぁ……だって、そうだろ？


答えを外したのは、こいつなんだから！


……なぁ、茅野……お前が死ねよ……


なぁ…？

お前らみんなそう思ってんだろ！」






みんな黙っている



どうして…？


自分たちだって、答えがわからなかったのに



なんで、茅野さんのせいにするの…？






柊「なんだ、みんな。反論なしか？


……え、お前ら


みんな、茅野が死ねばいいと思ってんのか？」






違います、そう言おうとしたときに、先生は狂ったように笑いだした






柊「……ふっ、ハハハハハ！


アハハハハ！」





「何がおかしい！？」





柊「お前ら…………

揃いも揃ってクズだなぁ！」



クズ…かぁ…

確かにぴったりかもしれないなぁ…







甲斐「なんだと……」




柊「自分が助かれば、他人がどうなっても構わない？

イカれてるねぇ〜




どうしたらそんな貧しい考えが生まれるのか

モラルの欠如、アイデンティティーの拡散！」









「Aはもうちょっと自信持って!」




よく景山さんに言われた言葉


私には私という固有の存在がない









柊「要は中身が空っぽなんだよ！」







空っぽ…空っぽなんだろうな…私




先生の言葉が私の体に滑り込んでは流れていく









柊「お前たちは、さっきの茅野を見ても、何も思わなかったのか？


景山の死から目を背けていた自分を奮い立たせて、向き合おうとした！！


……茅野を見ても、なにも、思わなかったのか……？」

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