検索窓
今日:11 hit、昨日:117 hit、合計:1,341,557 hit

ページ12

景山さんのドーピング疑惑の動画が流れた次の日、学校に来てみると、落書きされた机が2つになっていた



私の分と景山さんの分



みんながみんな、ネットを信じ、景山さんを敵だとみなした



…でも、私は同じ境遇の彼女を放っておけなかった







あの日、自分の机の惨状を見た景山さんは教室を飛び出した

そして咄嗟に私も彼女を追った




「か、景山さん!」

景「え…A…さん?」



実際、話しかけたこともなく、名前を呼んだことすらない



でも、いつも表彰される彼女が眩しくて

少し羨ましかった



「えっと…あの…」



なんて励ませばいいのかわからない


“ 私も同じだから、大丈夫! ”

…これは違うな





景「私といると…巻き込まれるよ?」





…どこまでも優しい人

なんで、なんで…




「なんで…?」


景「…え?」


「自分のことの方が苦しいのに…

どうして、私…なんかの心配…してくれるの?」


この子はお人好しすぎるんだ、きっと



「わ、私は、景山さんのこと…し、信じてる」

景「え?」

「そ、それじゃ…!」



結局、私は逃げるようにして帰ってしまった

でも、それ以来、私たちは仲良くなった





景「ほら、澪奈ってよんで?」

「む、むり…です」

景「えぇー、いいでしょ?」

「景山さんで…」




景山さんはいつも優しくて、私が話せるようになるまで待ってくれた




景「えっ…!そうだったの…?」


「こんな…性格だから…仕方なくて…

景山さんが優しいから…一緒にいれるだけ…」


景「…すごいね、Aさんは」


「すごくなんて…ない

本当にすごい人なら…景山さんを…助けてる」



本当に自分の無力さに反吐が出そう

何も出来ない自分と闘っている景山さん

すごいのがどっちかなんて、一目瞭然だ



景「ねぇ…Aって呼んでもいい?」


「え?あ、全然、大丈夫です…」


景「ふふっ、ありがとう、A」



ふにゃっと少し力が抜けるような笑顔が、私は好きだった



でも、もうそれは帰ってこない






私が、潰してしまったんだ

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (425 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1616人がお気に入り
設定タグ:3年A組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

sei(プロフ) - 楽しんで読ませてもらってます!私にもその文才欲しいくらいです。・゜゜(ノД`) (2019年3月21日 17時) (レス) id: cd07a6348c (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 諸行無常系女子さん» ありがとうございます!頑張りますね( ̄^ ̄)ゞ (2019年3月18日 18時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
諸行無常系女子 - 楽しく読ませてもらってます!これからも頑張ってください(*^o^*) (2019年3月18日 14時) (レス) id: 30d23c8fcb (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - ラビットさん» ありがとうございます!ラビットさんのお言葉、とっても励みになります! (2019年3月17日 23時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット(プロフ) - ものすごく面白くて続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年3月17日 19時) (レス) id: 80ad6ef553 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年3月14日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。