3月1日 ページ2
担任の柊先生から
《全員来るように》
と連絡があり、私は今、学校に来ている
「…帰りたいな」
来なくてもいい期間なのに…どうして?
別に思い入れも何もない
いつもと変わらない校舎
…温かみも優しさも感じないこの場所
卒業式まで来ない、いや、卒業式すら来ようかどうか迷っていたけれど
「柊先生にはお世話になったからな…」
美術部だった私は、自然と柊先生と話す機会が多く、よく絵のことについても相談した
「…まぁ、あと10日でお別れだけど」
そう、先生ともクラスの人たちとも
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「ブッキー、遅刻すんなよ!」
ふと聞こえたクラスメイトの嫌な笑い声
顔を上げると荷物を倒された先生がいた
「おはよう…ございます、柊先生…」
柊「あぁ、Aか、おはよう」
「荷物…手伝いますね」
柊「遅刻するぞ?」
「…別に大丈夫です」
どうせ私がいなくても、あのクラスは成り立つんだから
倒された荷物を直し、教室に行こうとすると名前を呼ばれる
ふと振り返ると
柊「やっと目が合った」
そう言って、柔らかく先生は笑った
…あぁ、そうだったかな
これは私の悪い癖
人と視線を合わせない
これを治すよう意識しろ、と先生に言われて以来、努力はしているけれど…
「すみません…全然治ってない…ですね」
柊「…ゆっくりでいい」
そう言って、ふわりと頭を撫でられる
これは先生の癖
私が謝ると、絶対に頭を撫でる
「…じゃあ、行きます」
柊「あぁ、助かったよ」
軽く頭を下げて教室に向かう
乾ききったあの空気に触れに
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sei(プロフ) - 楽しんで読ませてもらってます!私にもその文才欲しいくらいです。・゜゜(ノД`) (2019年3月21日 17時) (レス) id: cd07a6348c (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 諸行無常系女子さん» ありがとうございます!頑張りますね( ̄^ ̄)ゞ (2019年3月18日 18時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
諸行無常系女子 - 楽しく読ませてもらってます!これからも頑張ってください(*^o^*) (2019年3月18日 14時) (レス) id: 30d23c8fcb (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - ラビットさん» ありがとうございます!ラビットさんのお言葉、とっても励みになります! (2019年3月17日 23時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット(プロフ) - ものすごく面白くて続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年3月17日 19時) (レス) id: 80ad6ef553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年3月14日 20時