【A3!】天才ちゃんの化けの皮。2nd

#94 ページ49

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Ikaruga side.






最近、Aがへん。






Aは夜歩くのが好きだったのに、最近はずっと帰りはタクシーを使うようになった。





前はスマホが鳴っても普通だったのに、最近はびくっとしてる。





周りをよくきょろきょろするようになった。





笑ってることが少なくなった。






…なんか、へん。








＜…ん、＞





《…んっ》







Aとお芝居の練習をしてても、何だか…何かに怯えてるみたいな目をたまにするんだ。







「…ねぇ、A。」





『…は、何ですか？』






オレは、Aをマットレスに縫い付けたまま尋ねた。
Aは、軽く息を荒げながらオレを見てくれる。







…きれいな目だなぁ。







「…何か、怖いの？」





『…えっ…？』





「A、何かに怯えてるみたいに見える。…オレ、心配だよ？」





『っ、すみません…！何か気を使わせちゃったみたいで…！

あの、何でもないので…！』








Aは一瞬驚いた顔をして、それからすぐに…無理して笑顔をつくった。
Aの笑顔は好きだけど…この顔は好きじゃない。







辛そうな顔して、笑わないでって思う。








「…謝らなくてもいーよー？何でAが謝るの？」





『だって…心配かけてしまったので…』








すごくしゅんとした顔をしたA。
…また、辛そう。







「オレね、Aが笑った顔大好きなんだ。」





『えっ…』





「お芝居じゃない、ほんとの笑った顔。だいすき。」





『…ありがとうございます。まぁ…顔はいいので…。』







…言われ慣れてる、とでも言いたげな言いよう。
Aはモデルさんもしてるから、実際いっぱい言われてるんだろうなぁ。








「オレ、Aの顔が可愛いからAの笑った顔が好きなんじゃないよ？」





『…え？』







なんでかわからないって顔。
オレは、すごくAを抱きしめたくなったから抱きしめた。






…いたるの匂いがする。







「オレね、Aが笑ってたら…Aが嬉しそうだから好きなの。
Aが嬉しそうだったら、オレも嬉しいんだよ？」






『えっ…？！』







抱きしめてるから、Aの顔は見えない。
…けど、声がびっくりしてた。






Aの頭を撫でてあげる。小さな、可愛い頭。
…これで少しでも、怖いのなくなったらいいなぁ。








『…斑鳩さんは、優しい人ですね…？』








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