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「……。」
『……。』
あのあと、私は茅ヶ崎さんに居酒屋を連れ出された。
仕事先の人には、時間の都合が…と伝えたから大丈夫。
寮に帰るのかと思ってたら、連れてこられたのはビジネスホテル。
…ただ、飲屋街の外れにあるから多分そーゆー目的の人が利用するとこだと思う。
そして、ベットに押し倒された。
何をされるのかと一瞬焦ったけど…茅ヶ崎さんは何もしてこなかった。
『…茅ヶ崎さん。』
「……何。」
『怒ってます?』
「怒ってない。」
『…流石に、私そんなに鈍感じゃないんですけど。』
「……。」
茅ヶ崎さんは、さっきからずっとこの調子。
私の手首をベッドに縫い付けて、でも他のことは何もしない。
「…由井さんはさ、」
『 ?』
「あぁいうこと、よくあるの?」
『…ありますよ、ある程度は。
でも、この業界の人とは付き合う気はないですから。
…ついでに言うと、さっきの人は軟派な性格なのでさっきのは本気じゃないので…安心してください。』
私がそういうと、茅ヶ崎さんはまた不機嫌な顔になる。
…思い返してみると、茅ヶ崎さんにこんな顔向けられるのは初めてかもしれない。
「やけに冷静だね。」
『…私に声かけてくるのは、本気2割遊び8割って感じですから。』
「じゃあ、男に何されても平気なわけ?」
『…何か、今日の茅ヶ崎さん変ですよ?』
茅ヶ崎さんは、どうしたのか突然私の首元に顔を埋めた。
そして、手を回してくる。
『え?!…ち、茅ヶ崎さん…?』
急なことでびっくりして、茅ヶ崎さんに声をかける。
すると、茅ヶ崎さんは小さな声で言葉を発した。
「…して。」
『へ、』
「…だから、この前の…して。」
『こっ…この前の…。』
一瞬なんのことかわからなかったけど、すぐに思い出した。
肩横にあった手を茅ヶ崎さんに回して、片手で頭を撫でる。
ふんわりと鼻に入ってくる、アルコールの匂いと茅ヶ崎さんの香水の香り。
こんな状況だというのに、落ち着いてしまう茅ヶ崎さん自身の暖かさ。
「…ねぇ。」
『何ですか?』
茅ヶ崎さんが不意に、頭を撫でたいた私の手を掴む。
「…やっぱ、なんでもない。」
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夢花(仮垢) - #56の天馬の発言にて誤字発生…作者さん勢いで書いたか眠い時に書いたやろ(ジトー)無理とかしないでくださいよ!? (2018年11月8日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - あ、因みに#55の「無理してる感じは凄くしてるけどね」と有りますが、恐らく「してる感じはあるけどね」かと。見直しお願いします(このコメは消してもらって構いません) (2018年11月8日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - #55のとこ…天才じゃい…w紬さん…w((殴 誤字ありました。面白いです← そしてそーちゃん!!!!何!?作者さん神!?もっと早めに知ってれば候補キャラ言えたのに!!wそしてコメで見えたんすけど、他キャラ名も…よし、今から見てきます (2018年11月8日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
碧依 - めっちゃ面白いです!お兄ちゃんってスタマイの由井孝太郎ですよね!?アイナナやBプロやあんスタなどのキャラが出てきて面白いです! (2017年11月19日 23時) (レス) id: 5361a6093c (このIDを非表示/違反報告)
アオツキ*(プロフ) - ちょいちょい地味にアイナナ、Bプロ、あんスタのキャラを入れてきてすごく楽しいです!更新頑張って下さい! (2017年11月19日 22時) (レス) id: e61c22ef84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青 | 作成日時:2017年10月12日 20時