【A3!】天才ちゃんの化けの皮。2nd

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Tsukioka side.









《さぁ今夜も始まりました！〔music present！〕のお時間です！お送りするのは私由井Aと！》




〈みなさんこんばんわ！百ちゃんだよー！〉




《百さん今日も元気ですねー！》




〈えっへん！元気なのが百ちゃんのいいとこだからねっ〉








俺には、最近日課になっていることがある。
それは、夜寝る前に由井さんのラジオを聴くということ。






元々由井さんの芝居が好きで、映画やドラマ、アニメはもちろん吹き替えまで観ていた。
けれど、ラジオを聴くようになったのは割と最近だ。






ヘッドホンから聞こえてくる、軽快な音楽と楽しげな声。
由井さんの相手の人は今大人気の男性アイドルで、この番組はこの2人がパーソナリティをしている。






最新の音楽情報をお届け！みたいな内容だから俺はしらないことばかりなんだけど…この番組がいちばん由井さんが楽しそうだから聞いていた。







〈そういえば、Aは今度THRIVEのMVに出るんだよね？〉





《そうなんですよー！今回は、"ファンに選んでもらった一曲をMV化する"という企画らしいんですよね。》





〈へぇ！面白そうだね！

それで、今回選ばれたのがあの曲なんだね！…あれ、すごくセクシーな曲だけどAはどんな練習をしてるの？〉







そういえば、由井さんが前お庭でその資料を見てたような気がする…。
この企画だったんだ。
というか、セクシーって…！







《私が演技指導で行っている劇団があるんですけど、そこの方で練習に付き合ってくださる方がいるんです。
なので、その方にお願いしてます。》








…え？！








〈そーなんだ！それはいいねっ！

もし困ったらいつでも言ってね！楽とか龍貸すから！
あ、ウチのダーリンはダメだよっ〉





《そんなことしたら、九条さんに怒ららちゃいますよーっ》







そこからは、あまり内容が頭に入ってこなかった。
俺はとりあえずスマホで、今度由井さんが出る曲について調べる。






「え、えぇぇ…」







出てきたのは、男女の切ないラブストーリーを歌ったセクシーな楽曲。
歌っている子たちもすごくカッコよくて、由井さんのファンとしてはすごく見たいと思った。






けど、自分の教え子のそういうことをしてるシーンを見るのは中々ハードルが…。
会う前は全然見れていたのに、あった途端何だか恥ずかしくて見れなくなったんだよね…。







「…うちの劇団の練習相手って…誰？」

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