【A3!】天才ちゃんの化けの皮。2nd

#81 ページ36

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Usui side.






「ちょっ、オイ！アンタ！」





間一髪のところで、由井を受け止める。
俺の腕の中でぐったりしてる。





息遣いが荒くて、意識が朦朧としている。
逆上せているんだと、すぐにわかった。






「っ…」






カントクにしか興味がないと言っても、イヤでも意識してしまう２つの膨らみ。
掴んでいる腕は、もちもちして柔らかいのに驚くほど華奢だった。





真っ赤な顔で、桜色の唇を苦しげに歪める。
そのしんどそうな表情に、自分の奥底にある感情が疼いた。







「…しんどい…。」






俺も顔が熱くなってきた。
カントク以外にこんなになるとか、本当はイヤなのに。






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「待て待て待てお前何した真澄！！！」





「綴うるさい…」





「え、ほんとに何があったの？！」





「風呂入ってたら逆上せて倒れた。」





「はぁ？！つか、なんでお前までタオルだけなんだよ！」





「濡れるから。」







そのあとなんとかAをあげて、タオルでぐるぐる巻きにした。
その時裸を見てしまったけど、不可抗力だから仕方ない。







俺がタオル一枚のAを連れて行けば、談話室にいた奴らが血相を変えてよってくる。








「え？これなに？ギャルゲー？フラグたつじゃんこんなの。スチルは？」





「至さんショック受けすぎて変なこと口走ってんぞ。」





「さ、咲也！お前は見るな刺激が強い！」





「え、えぇ？！でも、天馬くんも顔真っ赤だよ？！」





「と、とりあえずここは俺が…」





「紬やめとけ、手ェ震えてる。」





「お前らうるせぇぞ！」





「左京さんも顔どうにかしてください！」







なんやかんやと騒ぎ立てるみんな。
Aの顔を見ると、さっきよりは楽みたいだった。







「…至、Aに服着せるから服持ってきて。」






「いやいやいや、お前本気？普通にさせるわけないでしょ。


つか、面倒見いいじゃん。監督さん以外に興味ない真澄がそんなこと言うの珍しくない？」






至がちょっとイラついた顔で俺を見てくる。
何だかはちょっとわからない。







気づけば、この状況を面白くなさそうな目で見てる奴がもう何人か。
へぇ、そうなんだ。







横抱きにしているAをもう一度抱き直す。






「よくわからないけど…Aを見てたらカントク見てる時と同じ感じになる…。」






「…は？！」








あくまで…恋愛感情ではないけど。







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