【A3!】天才ちゃんの化けの皮。2nd

#78 ページ32

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Settsu side.







「ねーねー摂津ー！聞いてる？」





「へーへー、聞いてる聞いてる。」






学校帰りちょっくら寄り道、なんて思っていたら昔絡んでた女に見つかり案の定ベタベタされる。
くっせぇ香水に下手くそな化粧。話してる内容なんて一握りも聞いてない。






昔はこんな女でも遊び位相手としてはよかった。適当に遊んで、暇をつぶすだけの存在。
けれど、今はそれが嫌でしかたない。







…由井ちゃん、今日いつごろ帰ってくんだっけ。









「ね、ねぇ！摂津！見て見て！」





「あぁ？んだよ…」








女に思いっきり引っ張られ、指を指している方を見てみる。
指をさしていたほうは路地裏。今は19時前後だから、若干薄暗くて見え辛い。






目を凝らして見てみると…人影のようなものが見えた。







「アレ、由井Aちゃんと漣ジュンくんじゃない？！」






「は…？」








女に言われて、もっとよく見てみる。
じっくり見てみると、由井ちゃん…のような気もする。






それがわかったら、俺は気がついたらそちらに向かっていた。
遠くで女が叫んでたような気もするけど、どーでもいい。







静かに近づいてみると、それはやっぱり由井ちゃんだった。
近くにいるのは…この前由井ちゃんと下着モデルをやってた男…？






なんか話してるみたいだったから、身を隠して耳を立てる。







「ったく…Aさん大丈夫っすかぁ？早めに事務所に言った方がいいと思いますけどねぇ。」






『ごめんね、ジュンくん…。大丈夫だから。』






…なんか、変な雰囲気。なんかあったのか…？
つか、下の名前で呼びあうとか仲良くねぇ…？







「…そんな、劇団のことが大事っすか？」





『…そうね、今は…うん。』





「俺の気持ちを無視してまで？」





『それは…ちゃんと応えたじゃん。」





「あんな理由で、俺が納得するとでも思ってるんすか？」





『…。』






「Aさんがその劇団のことが大切なのはわかりました。
…けど、それが原因で体調崩しちゃダメでしょう。」





『ちょ、ジュンくん…っ』







布がこすれる音。
由井ちゃんの焦る声。






驚いて覗いてみると、由井ちゃんがそいつに抱きしめられていた。
…真っ赤な顔で。








「顔、赤くなってるっすよぉ？…ほんとあんたズルイ。」






男の顔が由井ちゃんに近づいて行く。
…俺は、思わず声をかけてしまっていた。








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