【A3!】天才ちゃんの化けの皮。2nd

#65 ページ19

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Nanao side.






「うあ〜〜っ、やっと終わったスね！学校！俺っちもう疲れたっすー…」





「俺もだ…。何だ今日の授業、全部暗号かよ…！」






長い長い授業が終わって、やっとこさ楽しい放課後がやってくる。
そういえば、昨日臣クンが作ってくれたシフォンケーキが残っていたような…。なんて考えながら、天チャンの隣を歩く。





そして、校門の近くまできたところで…あたりがいつもと様子が違うことに気がついた。





デレデレした男子たちがフラフラしており、女の子の黄色い声が響いている。
こっ、これは…？！






「天チャン！どうしたんスかねぇ？」





「はぁ？オレが知るかよ…。」







見なくても分かる、その中心人物のモテモテオーラ。
羨ましいっす…！！







「天チャン！せめて、どんな子がいるかだけでも見ていいっすか？！」





「…いいけど、お前そーゆーの好きだな。」






天チャンに声をかけてから、人混みの中を覗こうとする。
しかし、人が多すぎて中々見えない。
なんとか隙間を縫ってその輪の中心に行くと、そこにはよく知った顔があり、俺っちは驚愕した。







「由井サン？！」





『七尾くん！』








:::








「何してんだお前。」





『…皇くん、緑の学ランに黄緑のカーデってすごいね。』




「お前幸と仲良くなってからオレによく喧嘩売るよな？！」




「ま、まぁまぁ天チャン！…で、由井サンはなんで欧高に来てんすか？」






由井サンを発見して、それを天チャンに言ったらすごい剣幕でギャラリーを散らした。
それを由井サンはニコニコしながら見てて…天チャンって想像以上に由井サンのこと好きっすよね。







『十座とケーキ食べに行こうと思って。』





「は？？」





『いやー今日ね、メイクさんに今話題のケーキ屋さんにツテがある人がいてさ？予約取ってくれてねー。
丁度7限目だけ学校来てたから、折角だからって。』





「いや、そっちじゃなくて。」





『は？…私、他に何か言った？』






由井サンかそう言うと、天チャンがイラついた様子で返した。






「…お前、十座さんのことさん付けで呼んでたろ。…いつの前に呼び捨てしてんだよ。」







想像のななめ上をいく質問に、由井サンだけじゃなく俺っちまでぽかんとする。
そして由井さんは、嬉しそうに答えた。








『…十座は、私のたった1人の友達だから。』








…あ、これはやばいヤツっす。






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