#report ページ3
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DOPPO side.
「へぇ…じゃあ、その一二三くんか突き飛ばしてしまった女性が、男性恐怖症だった可能性があるんだね?」
「はい…。といっても、そのあとコンビニの店員さんが来てからその方は逃げてしまったんですけど…。」
「ふむ…それで独歩くんは、その女性に怪我を負わせてしまったことを気にしているんだね?」
「その通りです…。」
俺の、寂雷先生とのカウンセリングの日。
この間、俺と一二三が出会った女性について話していた。
…あの日、俺たちはただその日の酒のつまみを買いに行っただけだった。
一二三もオフで、俺も次の日は休みだったから深夜にコンビニに行っていた。
思い返したら、全部俺が悪かった。
仕事終わりで疲れていたとはいえ、店内に女性がいるなんてこれぽっちも頭になかったんだ。結果、その女性と一二三が店内の棚と棚の角でぶつかってしまい、一二三が彼女を突き飛ばした。
…それも結構な力で。
ちょうど突き飛ばした先はドリンクが並べられているショーケースで、ピンポイントにとって部分に背中をぶつけてしまった。
…多分、痛かっただろう。
「ほんと…俺のせいなんです…。一二三が女性恐怖症ってことが頭にありながら、店内に女性がいるということを確かめなかった…。
俺がちゃんとしてればこんなことには…。
そうだ、これも全部俺が悪いんだ。今日も取引先の人に、"顔が陰気でちょっとこわい"なんて言われたし…。
俺のせい俺のせい俺のせい…」
「独歩くん、また悪い癖が出でいるよ。
それは君のせいじゃない、ただの事故だ。そんなに気に病む必要はないよ。」
「先生…。」
「それに、彼女は逃げてしまってもう連絡は取れないんだろう?
その上おそらく男性恐怖症としたら…怪我をさせてしまったことは申し訳なく思うけど、これ以上彼女に関わることも彼女にとってはしんどいんじゃないかな?」
先生のおっしゃっていることは至極当たり前のことだった。
名前もしらない、仕事先もわからない、知っているのは顔と男性恐怖症のリスクがあるということだけ。
放って、忘れた方がいいことなんて俺もわかってる。
俺だってそうする。
でも、こうやって先生に話をしているのは…。
「…このこと、俺はいいんですけど一二三がだいぶ気にしてて…。
女の子に怪我をさせてしまったって。」
「…なるほど、そういうことか。」
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作者名:あおい | 作成日時:2018年7月14日 12時