片想い少女。【俺スカ】 (ページ22)

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「ありがと..」

明智「べつに。でも意外だな。もっと甘い物の方が好きなのかと思った」

袋から取り出したアイスの色は綺麗な水色。

「小さい頃から好きなんだ」

明智「東条と同じように?」

思わず明智くんを睨むと、明智くんはくすくす笑う。

今日も何故か放課後を明智君と過ごしている。

..今回は私から誘ったんだけど。

明智「でも珍しいな。木原がそんなに静かなんて」

「私はいつでも静かだよ」

明智「そんなに落ち込むことないだろ?」

たしかに.考えてみればこんなに落ち込むことはなかったかもしれない。

東条のことを抜かせば。

「..初めて誰かに頼ったかも」

結衣にはこの恋心を言えないし、

..相談できる両親を持ってるわけでもなかった。

明智「..俺に言えば?

いつでも、なんでも。

木原の吐き出したいこと全部」

ほら、別に友達じゃないんだし。

そういう明智くんは..やっぱり少し泣きそうに見えた。

普段と変わらない表情なのに。

「..ねぇ、あの賭けって何を賭けたの?」

私と明智くんの賭け。

明智「あぁ..」

少し考えるような間を残したあと、明智くんはゆっくりと口を開いた。

明智「どっちが先に失恋するか」

「..何その悪趣味な賭け」

明智「ほら、ゲームにすれば楽しいじゃん。
東条への片想いも、楽しくなるんじゃん?」

「..失恋した方が勝ちなの?」

明智「そういうこと」

「ふｰん..」

爽やかな味が口に広がる。

「..いいよ、」

遊び、だもんね。

明智「ま、せいぜい勝てるように頑張れよ」

「..それ早く失恋しろってことじゃん、うわ、意地悪」

口を尖らすと、明智くんは余裕そうに笑った。

勝ってたまるものか、

って思うけど..

勝つ理由しか見つからない