✿大奥に咲く七輪の華✿

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同時刻【柊の間】

横尾さんと二人きり。
……だけど、先程から御中臈の者達が覗きに来る。
覗きに来ては見張番が追い返すが
ヒソヒソ…と声が聞こえる。


「‥‥申し訳なかった。俺の私情でお前を巻き込んだ。
俺がお前を買わなければ、大奥に引き摺り込まなければ…お前はお武家様として幸せな毎日を送れたのに…」

横尾さんの言葉に首を横に振る。


『謝らないでください。
本当に嫌だったら腹を斬れば良かったんです。
今となっては皆と剣術の手合いをしたり作法を学んだり
楽しい日々を送れたこと幸せに思います。
北山様と藤ヶ谷様には本当に申し訳ないことをしました。
‥‥ニカにも。幻滅させてしまったでしょう。』


心残りはずっと一緒だったニカのこと。

腐れ縁で出会った時から元の位など関係なく
仲良くしてくれた同志。

そのニカに嫌われてしまったことが…辛い。




"俺に任せて！“


柊の間から出る前に言っていた宮田の言葉を思い出す。

宮田は、一体何処へ行ったのだろうか？


厠へ行くって言ってたけど‥‥‥

遅すぎないか？

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