✿大奥に咲く七輪の華✿

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『どうゆうことだ！！』

久しぶりに苛立ちが募り、扇子を叩きつける。

何でガヤが居なくなった？

俺を残して。一人で……


「今朝、お部屋に朝食をお持ちしましたが
姿がなく身の回りの物もなくなってまして…
申し訳ございません。」

部屋子が頭を下げる。


「この者は悪うございませぬ。
直ぐに家臣の者に捜索させます。」

ミツの言葉に扇子をミツに向ける。

『ミツ、ガヤを捜しに城下へ降れ。』

俺の言葉にミツは眉をピクリと動かす。

「‥‥私ですか？」

『同じ大奥総取締役としてお前にも連帯責任が生じる。
拒否は出来ぬぞ。
お主ら、俺の命令に背いただろ？
二階堂から聞いた。
夜伽を果たさなんだと‥‥‥』

ミツは俯く。



『…そうだ、お供に千賀と横尾、
それに宮田も連れてってくれ。
宮田のお袋さんが床に伏せてるって
ご実家から文が来たらしい。
宮田に暇を出すから一緒に城下に向かってくれ。

宮田とは犬猿の仲だと聞いたから
これを機に親睦を深めてこい。

必ずガヤを連れ戻してこい。』




俺の命令にミツは何とも言えぬ表情をしていた。

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