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195:ギャルとチンピラ節 ページ45

「京都にはこんな術式持ってるやつ居ないよね…?」

今年の2年の術式は真衣を除き知らないが、それでも間違いなく彼らのものでは無い。
加茂家相伝の術式でもない。
西宮の付喪操術でもない。
東堂の不義遊戯でもない。

「ツナマヨ」

「いや、無理だね。真衣の術式というか、構築系術師でここまで作れるヤツそう居ないよ」


ここまで精巧で、呪力が相当読みづらい。
それに、気配の隠し方も____、


「…ッ!?」

勢いよく立ち上がり、感じた方向に目を向ける。
棘も同じく察したようで、自身の口元のジッパーに手をかけた。

なんだこの気味の悪い気配は。
体の内側から撫でられるような気配は。

Aと棘は感覚を鋭く研ぎ澄ませた。

何かが歩く音がする。

「…昆布」

なんだ、この感じ。
2級所の気配じゃない…!!
Aは無意識に口角を上げる。冷や汗が流れているというのに、体の底がうずうずしていた。

研究者魂というやつか、自分の知らない生物が恐らく今ここに居て、Aは今まさにそのまだ見ぬ何かにうずうずしている。

「…!」

ごろん、突然一本の木の後ろから頭部らしきものが転がり出た。
Aと棘は目で追う。

舌がだらりと垂れ下がり、瞳は限界まで上を向き。
頭部と首、その断面が粗い。引きちぎられたんだ。

何に?

そもそも、これは呪霊だよな…?
高専登録の呪霊か…?

頭部の取れた呪霊に近づこうと1歩Aが踏み出した瞬間、「止まれッ」棘の声が高鳴った。
無防備のAは金縛りにあったかのよう足を止める。


ずず、ず…


棘の顔を見るよりも前。
呪霊の頭が転がり落ちてきた木の後ろから、ぬっとゆっくり現れたその姿。

「花畑野郎…ッ」

白い体躯、布で覆われた片腕、得体の知れない呪力。
Aと五条は以前、火山頭の呪霊と対面した時現れた精霊のような呪霊だ。

コイツを追って、私はそれ以降の記憶が抜け落ちた。
前にあった継ぎ接ぎが脳を弄った事は確実だ。

脳を弄った意味は…?
私はあの日、もっと別の何かと出会っているのでは?


だが可笑しい
コイツ、こんなにも気味の悪い気配を出せたか…?


Aと棘は片足を引き、腰を低くする。
両手で襟を掴み、棘はジッパーを降ろした。

「高菜、明太子」

「いいや、ダメだ。二人で叩く方が絶対に早い。私は残る。それに、この花畑野郎には聞きたい事が山ほどあんのよ」

Aはビシと指先を白い呪霊___花御に向ける。

「ゲロ吐くみてぇに洗いざらい吐いてもらうぞ」

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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時

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