185:ギャルと満を持して ページ35
「あれ、先輩が処理落ちしてる…」
おーい、先輩?と五条がAの前で手を振るが、フリーズした機械のように固まってしまっている。
抱き寄せた腰のラインに沿って、剥き出しの肌をすぅっと撫でてみる。
しかし、それでも反応がない。
いつもなら、「悟、触っていいなんて言ってないよ」とにこやかな笑みとは裏腹に顔面へ凶暴な拳が飛んでくるのだが。
「可笑しいな、こんな事になるの初めてなんだけど」
五条は小さく呟き、Aに耳打ちする。
「先輩、今からサプライズするんでしょ。打ち合わせ通り進めないと」
「あっ、そうだった。え、私今フリーズしてた?」
「うん、僕が腰を撫でても固まってたよ」
「...」
「やだなぁ先輩、言葉も出ないぐらい照れちゃった?」
「照れてるように見えるんだ。お前の六眼はゴミか?」
Aはにこやかな笑顔で、殺傷能力の高い毒を吐く。
ゴミ…え、あの六眼ですよ?と訴えるが、Aの機嫌は既にいつもの調子に戻っている。
「さぁ皆さん!今日はちょっとしたお土産がありましてね〜!悟がつい最近海外に行ってまして…、海外?何いつ行ってきたの?え、私それ知らないんだけど」
「先輩そこスルーして。後で説明するから」
脱線しそうになるAの軌道修正を行う五条。
Aは渋々納得し、胡散臭いほどにこやかな笑みを浮かべ直すと言葉を続けた。
「えー、ではね、京都校の皆さんにはこれです南米奥地のとある民族人形ね。なにこれ、趣味悪っ!えぇ…ごめんねぇ…要らなかったら返していいよ…」
なんだこのパチモン人形。
Aは京都校の面々に渡す。
Aの物言いに、五条は「酷い!!」と抗議するが聞いている様子はない。
全員私終わり、最後は歌姫だけという所でAは袋の中身をじっと見る。
「歌姫のぶんはないらしい」
「死ね五条ッ!!!」
中指を立てる歌姫。
「可借夜A、俺はこれ要らないのだが」
「メカ丸が返してきたから、歌姫あげるよ」
「元からいらねーよ!!!」
「この僕からのお土産だぞ受け取れよ」
五条にメンチを切られるメカ丸。
要らなければ返せと言われたから返したというのに、この仕打ちは酷い。
ここには自分勝手な大人しか居ないのか。
メカ丸は内心思った。
「そして〜!東京校の皆さんにはこちら!!」
満を持して開かれるのは、荷台に詰まれた箱の蓋。
Aと五条は「せーの、」と声を合わせた。
「故人の虎杖悠仁君でーーす!!!」
「はい、おっぱっぴー!!!」
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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時