177:ギャルと貴様気づいているな ページ27
「珍しい格好をしていますね」
英字新聞から目を逸らし、隣のAを見ながら言うとAは咄嗟に胸元を隠した。
「えっちだね、七海」
「興味ありませんけど」
そもそも、貴方みたいな人趣味じゃないです。
七海はその意を込めながら言ってやると、思いの他Aに刺さったようでわざとらしくソファーに倒れ込んだ。
「見てませんよりも興味ありませんの方が言葉としてキツいぞ七海…」
私の乳はその程度か、しくしく。
泣き真似をするAに七海は呆れながら、「興味ある、と言ったらそれもそれでしょ」と返した。
「七海なら歓迎するよ」
ムカつくほど慣れたウィンクをするA。
「はぁ…そういうの、五条さんに言ったらどうですか?」
私ではないでしょ。七海は横目でAを見る。
すると、Aはソファーから起き上がりつつあからさまに顔を顰めた。
そして、恨めしそうに七海を見る。
「性格悪いぞ、七海」
「好きなだけ言ってどうぞ。貴方と五条さん、最近見てて鬱陶しいので」
「好きで鬱陶しい訳ないだろうが。私だってな、色仕掛けするほど余裕があれば____待て、七海。お前、まさか気づいているな?」
「五条さんを本格的に意識しだしたって話ですか?」
「わざわざ言わんでいい!!!」
Aは急いで七海の口を片手で塞ぐ。
その鬱陶しさ満載の行為に、七海はAの手をべりべりと引き剥がす。
「どう見たって鬱陶しいでしょう。中学生じゃないんですから」
「こンの後輩……言わせておけば…!しょうがないじゃん、12年も可愛い後輩だと思ってたのに無条件に健気な好意向けられてたの知ったら、もう、私だって、」
好きになるしかないでしょ!!!
ソファーの上で立ち上がって、勢いのまま言いかけたその時____
「お疲れサマンサ〜!!!」
扉を開け放ち、元気よくやってきたのは話題の人物。
Aと七海はその姿に視線を向けた。
当の人物は、ソファーの上で立つAと悠々と座ったままの七海という状況を前に「えっと…」と困惑する。
「お取り込み中だった?」
「いいえ」
「うん、そう。もうとってもお取り込み中だった」
「なんで七海と先輩で意見違うの?」
扉を後ろ手に閉めながら、その人物___五条は言った。
「えぇ…先輩ご機嫌斜めな感じ?」
「別に。超絶好調、もう本当に。とても」
五条は、二人と対面するソファーに腰を下ろしながら「の割には、今にも人を殴らん勢いの顔ですけど」と返す。
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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時