174：ギャルと秘湯 ページ24
＿＿＿＿。
秘湯。
漏湖は辺りを見回し、パイプを咥える。
鬱蒼とした緑の中に存在する安寧の地。
自然が作り出した温泉からは湯気が登り、硫黄の香りが一面に広がる。
体を休めるには最適な地だった。
少し前、五条悟に体と頭をバラされた際はどうなるかと思ったが、もうそろそろ良くなってきた頃合だろう。
逆に、帰ってきたばかりの真人はかなり消耗していた様子だった。
湯の流れに身を任せ、真人は自由気ままに浮く。
｢宿儺と器、アイツら天敵でさぁ。夏油が教えてくれたから、手に入れた玩具使って可借夜Aも釣ってみたんだけど......もーめちゃくちゃ｣
真人はため息を漏らす。
その割には、漏湖の目から見れば真人は随分機嫌が良さそうだ。
｢宿儺と器もだけど、可借夜Aも洒落にならないね。天敵とまではいかないけど、虎杖悠仁よりもスキルとセンスがある分やり辛い｣
殺さないようにするの、苦労したんだよ？と真人は夏油を見ながら言う。
｢君が約束を破らなくて本当に良かった｣
夏油はわざとらしく返す。
｢虎杖悠仁はもう少しだったけど、可借夜Aをキレさすにはまだまだ素材が足りないね。人質取って縛りを作らせる方が良かったかな｣
｢縛りはあくまで自分が自分に課すものだ。他者の介入はそう簡単ではないよ｣
夏油の言葉に、真人は拗ねるよう湯に顔を半分埋めると、ぶくぶくと子供のように泡を出した。
吉野順平の体を変えず、普通に致命傷を与えれば宿儺は反転術式で治せたかもしれない。
そうすれば、宿儺と体を交代出来ただろう。
けど、あの唯我独尊な宿儺がそう簡単に治してくれるだろうか。
いや、可借夜Aが頼めば有り得る。
このプランはありだな。
けどなぁ.....可借夜Aの呪霊。アレをどう処理するべきか。
アレこそ素直に引き摺り出せると思えない。
真人は湯から上がり、二人の名を呼んだ。
｢今のところ、プランはそのままで大丈夫だと思うよ｣
｢宿儺に指を全て献上する、か。可借夜Aの方は？｣
｢それに関して、ちょっと思うところが一点あってね｣
夏油が口を挟んだ。
｢可借夜A.....あくまでも真人の言葉を聞く限りだが、呪霊に憑かれた時より呪力制限の幅が広くなっている｣
｢というと？｣
真人が尋ねた。
｢恐らくは、宿儺と対峙して以降かな。本来、彼女は地下道での対戦以降倒れていいはずなんだけどね｣
どういう事だ、漏湖は顔だけを顰めて見せた。
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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます！これでいいのか...？と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます；；現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…！今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します！ (2021年4月21日 11時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します！もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます！ (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年3月1日 0時
