109:ギャルと逆転 ページ9
Aはすかさず五条の胸ぐらを掴む。
可愛らしく「キャッ」なんて、彼お得意のぶりっ子を見せた五条。
「そりゃあね、私としては五条家が囲ってくれる事ほど嬉しいことはないと思うよ…ぱっぱらぱーな後輩でも、確かに名門家の跡取りなわけですし?」
ふふん、とAに言われた五条は得意げな笑みを浮かべる。
思わず悠仁は「うわ…」と呟いた。
「私だって功績残してるとはいえさ、御三家の名前を持ち出されたら敵わないわけよ」
五条個人で見た場合は、実際のところAの方が地位は高い。
しかし、彼が”五条家”として振る舞えば話は別だ。
「嬉しいけどさぁ………周りにはどう説明すんのよ…」
「なんでよ、僕らの愛を見せつければいいだけでしょ」
「アンタ、朝からちょっと可笑しいわよ。なんでそんなにお気楽なの」
「開き直ったんだよ」
「…は?」
五条の言葉に、Aは意味が分からんという顔をするが、五条が言葉の先を補足することはない。
相変わらずご機嫌な笑みを浮かべるだけ。
Aからしてみれば、この厄介な状況を彼は”面白いことになった”と楽しんでいるだけにしか見えていなかった。
五条の心境など知るわけがないのだ。
「とにかくさ、」
五条が口を開く。
「今回のことで分かったけど、上層部はAの事を本気で黙らそうとしているのは明白になったわけだ」
「騙し続けられるだろうか…」
Aは不安だと天を仰ぐ。
すると、ふと悠仁が「っつーかさ、」と言葉を挟んだ。
「俺、正直二人は付き合ってるもんだと思ってたよ」
悠仁から解き放たれた変化球に、目の前に並んで座っていた偽装カップルは「ん???」と耳を疑う。
「いや…付き合ってた、かなぁ…。ほら、二人って基本距離感近いじゃん」
「僕と…先輩が……過去に…付き合っていた…?………そうだったかも」
「記憶を上書きするな」
Aは悠仁へと向き直る。
「そう見えるのは、私が悟と仲良いせいだよ。っつーか、普通じゃないの?」
悠仁はうーんと首を捻る。
「普通…いやぁ、にしては…」
悠仁は難しそうな表情を見せた。
思わず、そんなに考えることかとAは思ってしまう。
自分とこの後輩が…そんな風に見える?
Aはふと、隣の五条を見る。
視線に気づくと、五条はふっと表情を緩めた。
Aは反射的に顔を背ける。
悠仁が変な事言うから、意識しちゃったじゃんッ!!!
Aは気づかない。
五条と形勢逆転している事に、気づかない。
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鼻毛太郎(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます!🙌原作があんな感じなので、いいでしょとぬるっと入れてます笑笑気づいて楽しんで下さる方が居るなら幸い…!更新速度遅めですが、ぜひ今後も宜しくお願いいたします🤍😌 (7月4日 17時) (レス) @page25 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 夢主のジャジャン拳発言に笑ってしまいました…原作も「これ絶対ハンタ意識してるだろ」って所あるし、赤どこかいている作者さん…色々浮かんでしまいました。笑。2作とも更新頑張ってください! (7月4日 17時) (レス) @page25 id: b1f847ba2a (このIDを非表示/違反報告)
世も末 - 返信ありがとうございます。鼻毛太郎様がお考えになる設定めちゃめちゃ好きなので、桐壺と夢浮橋のお披露目楽しみにしてます(;_;)!!(直哉のお話も楽しく読ませて頂いています)お体にお気を付けて、鼻毛太郎様のペースで更新頑張ってください(/*´ `)/ (2021年2月23日 3時) (レス) id: 6fde9aa103 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 世も末さん» 桐壺と夢浮橋、この2つの呪具はなんと今後も本編にて登場します!ちなみに、予定は攻略会にてです!とはいっても、1つのみしか出てこず(夢浮橋は壊れたので)…ですが、0の方では両方出ます!オリジナル呪具ですが、姿も形も一応は決まっていてお披露目が楽しみです…! (2021年2月21日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 世も末さん» コメントありがとうございます…!戻ってきて下さる事がとっても有難い;;かなり修正も完了して、今は漸く幼魚と逆罰に突入を果たせました…これから訪れる地獄に、先輩が耐えられるか否かを描くのがとっても楽しみです...!丁寧にお返事返したいので、長くなります! (2021年2月21日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年1月18日 0時