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131:ギャルと大人の階段 ページ31

「どちらにしろ、虎杖君は連れていけません。単身乗り込むか、虎杖君を連れて行くか…リスクを考えると前者でしょう」

それに、今回はAさんも居るのでと七海は続けた。
思わずAは、あの七海が頼ってくれている事実に目を輝かせた。
わざとらしくハンカチを取り出し、目尻を拭く真似を見せる。

「やば、嬉して泣いちゃうんだけど…信頼……愛……」

「信頼はしてますけど、愛は無いです。1ミリも」

「オーバーキルなんだけど。伊地知、労災降りる?」

「どう考えても降りないかと…」

というか、そんなものない。

そうこうしているうちに、「なーなみせんせーい!」と機嫌よく悠仁が戻ってきた。

「言い忘れてた!」

悠仁は言うと、にっと笑い掌を掲げてみせる。

「二人共、気をつけてね」

彼の笑顔は表も裏も無く、心の底から素直だ。
太陽みたいに眩しく、初夏の朝の如く爽やか。
彼には何時までもこの笑顔をさせてやりたいなぁ、とAは思う。

伊地知も七海も、恐らくAと同じことを思っていた。
七海はひと呼吸おき、悠仁の名を呼ぶ。

「私はAさんのように教職じゃないので、先生はやめてください」

「私、呼ばれてねーけどな」

Aが口を挟む。
だからといって、別に気にもしてないのだが。

「じゃあナナミン!」

「ぶッッ」

吹き出すAをギロと睨みながら、「引っぱたきますよ」と悠仁に返す。
しかし、そんなことを言われようが悠仁の中では七海は“ナナミン”だと決まってる様子で、にこにこと笑っている。

「Aも、無理すんなよ」

去り際、悠仁がAに釘を刺す。
Aは悠仁の言葉に、少しだけを瞳を小さくさせたあと、ふわりと表情を緩めた。

「安心しな、このA様無傷で帰還してやんよ」

ほら、さっさと行きなとAは付け足し、悠仁を送り出した。


悠仁も伊地知も居なくなった部屋で、Aは七海に言う。

「アイツ、悟みたいな事言うようになっちゃった」

嬉しいのかなんなのか。

非常勤とはいえ、教師になるなんてガラじゃないなと思ってはいたが、こうやって生徒の成長を見てしまうと教師になって良かったなと思ってしまう。

これが、大人の立ち位置ってやつか。

「行こっか」

「ええ」

Aと七海は会議室を後にした。

132:ギャルと継ぎ接ぎ→←130:ギャルと呪詛



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鼻毛太郎(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます!🙌原作があんな感じなので、いいでしょとぬるっと入れてます笑笑気づいて楽しんで下さる方が居るなら幸い…!更新速度遅めですが、ぜひ今後も宜しくお願いいたします🤍😌 (7月4日 17時) (レス) @page25 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 夢主のジャジャン拳発言に笑ってしまいました…原作も「これ絶対ハンタ意識してるだろ」って所あるし、赤どこかいている作者さん…色々浮かんでしまいました。笑。2作とも更新頑張ってください! (7月4日 17時) (レス) @page25 id: b1f847ba2a (このIDを非表示/違反報告)
世も末 - 返信ありがとうございます。鼻毛太郎様がお考えになる設定めちゃめちゃ好きなので、桐壺と夢浮橋のお披露目楽しみにしてます(;_;)!!(直哉のお話も楽しく読ませて頂いています)お体にお気を付けて、鼻毛太郎様のペースで更新頑張ってください(/*´ `)/ (2021年2月23日 3時) (レス) id: 6fde9aa103 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 世も末さん» 桐壺と夢浮橋、この2つの呪具はなんと今後も本編にて登場します!ちなみに、予定は攻略会にてです!とはいっても、1つのみしか出てこず(夢浮橋は壊れたので)…ですが、0の方では両方出ます!オリジナル呪具ですが、姿も形も一応は決まっていてお披露目が楽しみです…! (2021年2月21日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 世も末さん» コメントありがとうございます…!戻ってきて下さる事がとっても有難い;;かなり修正も完了して、今は漸く幼魚と逆罰に突入を果たせました…これから訪れる地獄に、先輩が耐えられるか否かを描くのがとっても楽しみです...!丁寧にお返事返したいので、長くなります! (2021年2月21日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年1月18日 0時

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