【呪術廻戦】ギャルと呪術-3-

102：ギャルとやってやる ページ2

寝かせたと思えば、Aが突然引き止めてきて、｢おいで｣って引き込まれて、撫でられて、添い寝してて、それで、それで。

思い返す。
大丈夫、何も間違っていない。
現状把握完了。

五条はAの顔を垣間みる。

既にAは目を瞑り、規則正しい寝息を立てていた。
完全に寝落ちている。


今のは何だったんだよ...


と、五条は呑気に寝こけるAを恨めしそうに眺める。

重たげな睫毛。
白い肌。
薄い唇。

段々と、五条の中で妙な感情が湧き立ち始める。

なんでこの僕が良いようにされているんだ。
なんで振り回されているんだ。
僕がいつまでも手を出さないからって、お前。

舐められているのか？と、五条は眉を寄せる。
舐められるのも泳がされるのも好きじゃない。
手の上で転がされるのも、だ。

五条は生唾を飲み込む。

そうだよ。お前は最初からそういうのは嫌いじゃないか。
ここいらで、Aを泣かせておく必要がある。

五条はにたりと悪い笑みを浮かべた。


ゆっくりと体を起き上がらせ、眠るAに覆い被さる。
Aの耳元に両手をつき、彼女を見下ろす。

これには五条も驚いた。
なるほど、これが支配欲が満たされるというやつか。
如何にも自分が優位な立場にいる気分だ。
残念だが、これはAが悪いのだ。
その気にさせたAが悪い。

｢Aが悪いんだよ｣

言ってやる。
当のAは、そんな五条の気も知らず眠ったまま。

やるか。
手始めに剥くか。
首筋に跡でも残してやろうか。
分からせてやろうか。
｢悟、やだ、やめて｣と泣きながら言わせてやろうか。

ははは、残念だねA。
僕は元々いじめっ子の気があるんだよ。


まずは、出来なかったキスでもしてやろうか。
言っておくが、その気になればその程度秒だから。


片肘をつき、ぐっと顔を近づける。




よし、やるぞ。
やってやるんだよ。









｢...っ｣

やっぱ無理ッッ！！！
クソッ、僕のヘタレッッ！！！

ぶんっと勢いよく五条は顔を逸らした。
笑ってしまうほど真っ赤な顔で、心拍数も即病院行きになっても可笑しくないぐらい騒がせ。

無理だ、寝込みを襲うとか、僕には無理。

倫理観ぶっ壊れの自分でも、相手がAとなれば別だ。

五条は覆い被さるのをやめ、ベッドの端に腰掛けると両手で顔を覆った。

無理だ。
一歩が踏み出せない。
開き直れない。



｢タスケテ.....｣







結局、その後朝になっても五条の頭からその想いが風化することは無かった。

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