494：ギャルと正体 ページ44
酷く冷えた瞳は重面を映してるかすら怪しかった。
そんな宿儺は、重面に対し恐ろしく短く簡単な言葉を吐き捨てる。
「去ね」
地獄の底から引き上げられたような声音に、重面は言葉に出すでもなく青ざめ、正気に戻ると可笑しくなった玩具のように不気味に口の端を釣り上げた。
「し、失礼しまーす」
軽快な口調とは裏腹に、宿儺を少しでも刺激せぬようそそくさと退散する重面。
しかし。
「…、」
Aは、重面の姿を捉えるために振り向いたままの状態で顔を白くさせた。
走る姿のまま、ずるりと真っ二つにズレていく重面の体。
まるで映画のようなグロテスクな光景を前にして、Aには為す術もない。
流石のAでも、人の縦断面図を最後まで見る気にはなれず、ぐちゃりと音がする時には既に目を背けてしまっていた。
爆散する方が幾分マシだ。
「さて、」
気怠げに宿儺は首を摩る。
「どこから話すか…」
そう呟いた時、ふと首を摩る宿儺の片手が小刻みに震え出した。
「時間が足りんな」と呟く宿儺は自身の片手を眺めると、Aを再び見下ろして訊ねた。
「一つだけ答えてやる」
全てを教えてやるほど、俺は高尚な生き物ではない。
きっぱりと述べる宿儺。
本当は全てを聞きたかったが、宿儺は教えてくれるとも思えないし、何より時間が足りない。
虎杖があまり戻ってこないというのも、Aにとっては心配な箇所である。
Aは、宿儺に何を問うべきかを考えた。
今自分が聞いて、無意味だったと思わないもの。
いや、今の自分にとって宿儺への無意味な質問などひとつも無い。
ならば、問うべきは今自分が最も知りたいこと。
様々な葛藤と取捨選択がAの中であった。
たったひとつだけ、今1番知りたいこと。
両面宿儺という呪いの王に訊ねたいこと。
Aは息を吸い込み、訊ねた。
「私は、何者？」
宿儺の口元が、ゆらりと揺らいだのが分かった。
瞬間、宿儺が目の前でしゃがみこんだかと思うと同時、人差し指で顎を掬われる。
一方的に合わせられた視線。
宿儺は言った。
「“武神 毘沙門”」
「は？」
Aの口からは、思わずそんな言葉が出た。
武神、毘沙門。なんなんだそれは、全くもって意味がわからない。
立ち上がる宿儺を引き留めようと、Aは口を開きかけたが、すぐに宿儺の言葉が上から被せられ阻まれてしまう。
「あとは自分で調べてみるんだな」
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プルメリア - ありがとうございます！頑張りますね！ (2023年1月9日 7時) (
レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…！多分、宿儺のやつですかね…？まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…！ (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです！ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか？ (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです！ (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月27日 22時
