493：ギャルと己 ページ43
「どうした？」
がらん、と音を立てて宿儺は魔虚羅の残骸を持ち上げる。
残った法陣は一体何を意味しているのだろう。
「なんだ、腰が抜けたか。しょうの無い奴め」
呼吸するのが精一杯で、宿儺の声には咄嗟に反応が出来なかった。
前に佇み、相変わらず嘲笑的な笑いを携えてAに言うと、猫の親が子を掴みあげる時のようにAの首根っこに手を回そうとした。
その時、漸くAが動いたのだ。
「…」
Aの片手が、宿儺の手首を掴む。
微かに驚いた顔を見せる宿儺に反し、Aは少し遅れて「待って」と一言言葉を漏らした。
無言の宿儺。
特にAの手を振り払うわけでもなく、宿儺はAをただ見下ろしていた。
Aが、顔を持ち上げ宿儺と対面する。
瞳同士が合う、正真正銘の対面。
そこには、妙な緊張感と張り詰めた空気が漂っていた。
虎杖悠仁であるが、虎杖悠仁ではない。
「待って」
Aは、再度宿儺へ言った。
彼の顔が無言で言っている。
さっさと終わらせるなら聞いてやろう、と。
「私って、何」
宿儺の瞳が一瞬揺らぐ。
畳み掛けるように、Aは矢継ぎ早に述べる。
「私は何者なの。アンタと私の関係って何。私に憑いていた呪霊は、土地神はなんなの」
Aの脳内に、まるで走馬灯のように土地神との日々、憑かれたあの日、思い出した母親との記憶。
あの祠は、四つ腕の化け物の話は、燃えた村は、村で信仰されていた子供とは。
ねぇ、それって。
ねぇ。
「あなたが燃やした村は、何」
暫くの沈黙は、本当にぞっとする程静かだった。
先程までの激闘が嘘みたいに。
Aは、宿儺が言葉を返すまでいつまでも待ってやるつもりでいた。
これを聞かなきゃ、自分はわざわざここに居る意味が無い。
数多の助けを感じ取っても、意地でもここにいる意味が。
「全く…」
宿儺が呟く。
彼は、静かにAが掴む手から自身の腕を引き抜き、短くため息を漏らした。
Aを見下ろす宿儺の瞳が、すっと細くなる。
「知って何になる」
問われても、Aは言葉を返さない。
そんなのは知った後にAが決めるからだ。
逸らさぬ瞳に、Aの固い意思を読み取ってか宿儺は再び短く息を吐くと、ふとAから視線を逸らした。
「何を見ている」
Aではなく、少し離れた位置で佇む重面へと告げる。
まさか自分へと矛先が変わるとは思ってなかった重面は「あっ、」と一瞬漏らすも、すぐに口を噤む。
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プルメリア - ありがとうございます！頑張りますね！ (2023年1月9日 7時) (
レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…！多分、宿儺のやつですかね…？まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…！ (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです！ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか？ (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです！ (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月27日 22時
