489：ギャルと退魔の剣 ページ39
凪いだ空気が一気に斬撃に裂かれる。
魔虚羅の大きな体躯だけでなく、ビルごと寸分狂いなく綺麗に裂いた斬撃にAは目を丸くした。
「やば……」
あれだけ静かにしておけと言われたのに、Aの口からは自然と漏れ出てしまっていた。
「ねぇ、アンタの術式って、」
そう自身を抱える宿儺を見上げて訊ねたその時、宿儺が言ったのだ。
「舌の心配をする時間が終わった訳ではないぞ」
それがどういう意味なのか、Aが訊ねる暇もなく、宿儺は地を蹴った。
そして、次の瞬間には斬撃に倒れた魔虚羅の頭上までやってくると、勢いよく脳天を踵で撃ち抜く。
破壊力は当たり前のように凄まじく、空中浮遊していた魔虚羅は一気に地へと叩き落とされることとなった。
重い音を鳴らし降り立つ宿儺。
「で、なんだ。さっきなんと言った？」
「う、うぅ…気持ち悪ぃ…」
これだけ素早く動けば、胃がひっくり返っていたってなんら不思議ではない。
目を回し、口を抑えるAに、宿儺はため息を漏らし「情けない奴め…」と呟く。
「全く。無意味にお前を連れ回している訳では無いのだぞ。あの“デカブツ”の能力を知らん訳ではないだろ？」
「だから、詳しくは知らないってさっき、」
「詳しくは、ということは“少しは”知っているという俺の解釈は間違いか？」
宿儺に言われて、Aは苦虫を噛み潰したような顔を見せた。
その顔は『間違いではない』という意味にもなる。
宿儺は、その顔に満足げな笑みを浮かべ返し「俺が分からんとでも思ったか、愛い奴め」と述べる。
その“愛い奴”が、全くもって愛らしいの意味で使ったのではないことをAは分かっていた。
くそ、子供扱いされてやがる
Aは、ぐぬぬぬと顔を歪めると、言葉の中身を吐き出した。
「実際の能力をよく知らないってのはマジの話だからな。でも、」
Aが述べている中、目の前で魔虚羅がのそりと起き上がってきたのだ。
しかも、宿儺が与えた斬撃の傷の一切を捨て去り。
Aは、口をぽかんと開かせ、信じられないものを見るかのように魔虚羅を凝視した。
しかし、宿儺だけは驚く素振りを見せない。
「気にするな。続けろ」
「あ、あ、うん…えっと、そう、私が知ってるのはあの片腕についてる刀ぐらい」
魔虚羅の拳、片方に刃だけとなった刀が巻き付いている。
「退魔の剣。アレに当たると、呪霊は一発で消し飛ぶ」
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プルメリア - ありがとうございます！頑張りますね！ (2023年1月9日 7時) (
レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…！多分、宿儺のやつですかね…？まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…！ (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです！ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか？ (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです！ (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月27日 22時
