482：ギャルと千の空白 ページ32
＿＿＿＿。
この世は地獄。
この光景を見れば誰でも思う。
業火の中、全身を焼かれ燃えゆく呪霊の姿。
呪霊＿漏湖は火力勝負の末、この目の前の呪いの王に敗北した。
呪霊としては、中々いい心構えではあったな。こいつは。
燃えて灰になる様を宿儺は地獄同等の景色の中見届けていると、ふと彼の背後の何者かが降り立った。
「宿儺様。お迎えに参りました」
中世的な声音で申した人物。
宿儺は、瞳だけを横に逸らし、その背後に降り立った者を視界に捉えた。
「誰だ」
馴れ馴れしくも謙り頭を垂れるその態度。
顎のラインに添い切り揃えられた髪は、垂れる頭に沿ってはらりと靡く。
その風体。態度。容姿。
一体こいつは。
思った矢先、宿儺ははたと天命を受けたよう気付き声を上げた。
「裏梅か…！」
幾千年ぶりに合間見えることになろうとは。
「お久しうございます」
部下、裏梅。
中々、役者が揃ってきたじゃないか。
宿儺は、口元に妖しく笑みを浮かべる。
宿儺は、数千年ぶりに顔を合わせた裏梅へと自身の計画でも伝えておくべきかと振り返った。
刹那。
宿儺の瞳が鋭く研がれた。
「宿儺様？」
突然、何かを見つけたかのように遠い方角へと体を向けた宿儺に、裏梅は疑問符を浮かべた。
すると、宿儺は手短に「急用だ」と告げる。
「…左様で」
何処か寂しげに呟く裏梅であったが、その後すぐ告げられた宿儺からの“復活”の言葉に垂れた頭を微かに持ち上げた。
「ゆめ準備を怠るな」
その言葉に、裏梅は再度深く頭を下げ「御意に」と頷く。
「裏梅、」
ふと、呼ばれた裏梅は顔をあげる。
そこには、やけに真剣な顔をしてこちらを見る宿儺の顔があった。
正しくは、彼の器である虎杖悠仁なのだが。
何か。裏梅の無言の顔が訊ねる。
「“アイツ”も、今世に生まれている」
アイツ。
名を言わずとも、裏梅はそれが誰か分かっていた。
「……知って、います」
あの存在を。
今世に、何か示し合わせでもしたかのように出現した“彼女”を。
「…行くのですか。あの子のもとに」
裏梅が訊ねる。
行くな。とは言わない。
己の主の歩む道に自分はついていくだけである。
この王の歩く道が自身の道。
貴方の行く先には、誰もいらないのです。
貴方だけでいいのです。
「二度もあの小娘を殺すような轍を俺に踏ませるな」
宿儺は言い残すと、瞬きする数秒の間にそこから姿を消した。
“またな 裏梅”
そう言い残し。
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プルメリア - ありがとうございます！頑張りますね！ (2023年1月9日 7時) (
レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…！多分、宿儺のやつですかね…？まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…！ (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです！ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか？ (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです！ (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月27日 22時
