479:ギャルと神の使い ページ29
____。
バカ言うなよ。
幾ら、過去の当主達が『十種影法術』と『六眼と無下限呪術』でぶつかり合い相討ちになったからって、アンタに勝てるわけないだろ。
殺し合いをすることになる。
まさか。
俺が負けますよ、その時は。
アンタに勝てるわけないんだから。
「さっきからブツブツブツブツ...もういい?殺っちまってもさ」
目の前の男、重面春太が呆れたよう息をつく。
伏黒には、もう二本の足で立ち彼から距離を置く程の力は残っていなかった。
せめて出来たのは、これから起こる事にAを巻き込まないため、Aから距離をとることそれぐらいだ。
あの人なら、生きてる。
幾度の窮地をいつだって脱してきた人だ。
不死身かよ、と疑ったことがあるぐらいだ。
あの人なら、大丈夫。
「...だけど、絶対生かすためには、俺がここで命を張る必要がある」
伏黒は呟き、拳を握り合わせた。
今から起きる事に恐怖なんてものはない。
伏黒は、ふっと口元に思わず笑みを浮かばせた。
Aさんが死んで俺が生き残った世界で、五条先生と殺し合いをする方がきっともっと怖い。
「おい、お前」
伏黒が重面春太を無愛想に呼びつける。
重面春太は、彼の言葉に顔だけを向け答えたが、その時ふと辺りに広がったピリついた呪力に気がついた。
なんだ、この呪力。
なんだ、この空気。
なんだ、なんなんだよ。なんだよ。
突如として、まだ事が起こったわけでもないのに漠然とした恐怖を感じ取る重面春太。
目の前の男。伏黒恵。
お前、なんで笑ってんだよ。
「...っお前、一体何し____、」
「“調伏” 手伝ってくれるよな」
重面春太は、顔を引き攣らせた。
まさか、まさかお前。まさか。
「ところで、俺は式神使いなんだ」
重面春太の中で、全てのピースが揃う。
膨れ上がった恐怖の中、急ぐように今から彼がする事柄を止めようとした。
すぐにトドメを刺さなかった自分に対し後悔した。
だが、もう遅い。
伏黒が、唱えだしたのだ。
眠れる魔物が、地獄の底から目を覚ましやってくる。
式神の名は____『
悪い、虎杖。
怒るなよ。そうしなきゃ、駄目だったんだ。
「先に逝く、せいぜい頑張れ」
そこからの記憶は、伏黒にはない。
ただただ、Aさんが生きてる限り負けることはないのだと思って。
1208人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
プルメリア - ありがとうございます!頑張りますね! (2023年1月9日 7時) (レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…!多分、宿儺のやつですかね…?まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…! (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです!ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか? (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです! (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2022年11月27日 22時