478:ギャルと男の約束 ページ28
唱える。
布瑠部
由良由良
八握剣____、
「っつーかさ、恵はどう思ってるわけ?」
渋谷よりも前。
五条に呼び出された伏黒は、そんな問いかけを突然渡された。
なんだ脈絡もなく、思わず口からは「は?」なんて言葉が漏れていた。
五条はといえば、彼の体を悠に寛がせるのは容易い程大きな椅子に体を預けて、「だからさ、」と再び切り出す。
「君の初恋が僕に取られてだよ」
体以上に大きな態度と相変わらずな軽薄さに、伏黒はムッと顔を顰める。
「五条家と禪院家が何故仲が悪いのかって話を終えたと思ったら、それ聞いて何になるんです」
というか、俺の初恋勝手に決めつけないでください。とぶっきらぼうに返した。
「えー、絶対恵の初恋ってAでしょ。もー、僕があの人の恋人だからって遠慮しなくていいのに〜」
「帰ろ」
「あ、Aから電話だ」
構ってられるか。と背を向け扉に手をかけた途端、タイミングよく五条が言葉を零した。
Aさん、から?
ほぼ自然に、その時伏黒は扉を引く手をピタと止めた。
意識はしていない。体が勝手に止まったのだ。
そして、流れるように当たり前のように、伏黒は五条の方へ顔を向けたその時。
「うっそ♡」
嵌めやがったな。
ぷーくすくす、と笑ってこちらを指さす五条のなんとムカつくことか。
自身の額に青筋が浮かぶと同時、いや待てよ自分が怒ったところでとふと頭を過ぎったことで、彼はため息だけに留めた。
そうだ、自分は大人だ。と、心に言い聞かせ「別に、初恋では無いです」とキッパリ否定する。
「あの人にあるのは、尊敬だけです」
あとは、疑問と少しの不満。
喉まででかかったそれを伏黒はすんでで飲み込んだ。
後に、彼は自分の本音をぶつけてAと向き合うことで疑問と少しの不満が尊敬と信頼に変わった訳だが、彼はそれをまだ知らない。
「ふぅん」
五条が意味ありげに相槌を返す。
本当に、尊敬だけ?
と、彼の顔が言っていたが気づかないフリをする。
「というか、もう用がないなら帰りますよ」
今度こそ本当に。
扉に片手をかけ、今一度引こうとしたその時。
「恵」
と、五条の声が背越しに飛んできた。
「もしもの時Aのことを護れなかったら、その時は例の当主のようにお前と殺し合いをすることになる。いいね?」
どうしてこの人は素直に、自分に何かあったら護ってやってを言えないんだか。
「分かってます」
そう短く言って、部屋から出た。
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プルメリア - ありがとうございます!頑張りますね! (2023年1月9日 7時) (レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…!多分、宿儺のやつですかね…?まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…! (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです!ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか? (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです! (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2022年11月27日 22時