538：内通者 ページ42
＿＿＿＿。
同刻。
袖の中で鎖の音を鳴らしながら、クラピカは待ち合わせ場所を訪れた。
天井にはダクトと最終地点が不明な配線が無数に絡みあう。
闇の中を照らすのは、やけに禍々しく明るい月光のみで、その光が宙に舞う埃を照らす。
鼻を掠めるのは、埃と微かなカビの匂い。
まるで、“蜘蛛”でも住んでいそうだ。
闇の奥を進むと、クラピカはやけに開けた部屋へと当たった。
月光照らす部屋。
その中央で、クラピカを呼び出した男は背を向け椅子に腰掛けていた。
床にトランプを散らばらせている。
だが、ただ散らしている訳でも無さそうだ。
何処か規則があるような並びに、クラピカはふとタロットの形を思い出す。
しかし、彼に占いの趣味はあっただろうか。
「早かったね♡」
彼にしては機嫌が良さそうな声音で、クラピカに述べる。
まだ背を向けたままだというのに、よく分かるものだ。
末恐ろしい。
初めて男と対面した時もクラピカは思った。
謎の奇術師＿＿ヒソカ。
彼が振り向き、目が合うと同時クラピカは全身を集中させた。
見る限り、ヒソカはオーラを特に隠している事も無い。
それに気づいたからか、ヒソカは狐なように目を細め
「安心しなよ♧今君と戦る気はないから♢」
と告げる。
なるほど。本当にその様子らしい。
クラピカは思った後、ふと辺りを見回した。
「何か？」
ヒソカが訊ねる。
クラピカはその言葉に特に返さず「いや、」と一言漏らして、無理矢理会話を変えた。
「無駄話はしたくない。早速、お前達のことを聞かせて貰おう」
クラピカの言葉に、ヒソカは先程まであった興味を失わせ「そう、それじゃあ」と『蜘蛛』についてを開示した。
メンバーの数、旅団だとわかるその証。
メンバーの入れ替わり方法から活動内容までを簡潔に、しかし分かりやすく話すヒソカ。
彼は、その日なぜかクラピカに対し『蜘蛛について教えてあげよう』という旨の連絡を寄越した。
元々、ハンター試験からクラピカに対しそれらしい予兆は見せていたヒソカであったが、クラピカからしてみれば何故ヒソカがそこまでの“親切”を自分にしてくれるかが一切不明なのだ。
未だに、ヒソカはこの情報開示の裏の顔を明かしてくれない。
「そういう訳で、団長の周りには常に最低二人は側についている♢そして、仕事が終われば姿を消してしまう♧」
そこでだ。
ヒソカが、切り出した。
「一人で目標達成は無理だと思わないかい？」
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鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
