531：デリカシー ページ35
少し距離を取ろうとするフィンクスにすぐさま誤解を解こうと詰め寄る。
概ね合ってるけど違うんです、信じてください。ほんと。マジで。
「疲れてるなぁ、A」
訂正するだけでもこれだ。げっそりするAを眺めながら述べるボノレノフにフィンクスは「まぁ、アレが男だとな」と同情の言葉を述べるあたり、Aの言葉を信じてくれたようだ。
「誰よ、ヒソカ君アジト待機にさせたの。体力有り余って、私が持たないから外に出して遊ばせてきて」
「公園に子供連れてく母親の言葉じゃないの」
「残念だが、今回の現場はヒソカには退屈だろ」
石階段に悠々と座るクロロが言うと、Aはムゥと不服げに頬を膨らませた。
ヒソカはといえば、「ね？うちのA可愛いだろ♤」と他人事のような口振りでコルトピに言っているし、コルトピはコルトピで普通に困っている。
「まぁ、これでも飲んで吉報でも待とう」
そう言って、クロロがAに一本の缶を渡す。
何これ、なんて小さく呟いて缶を目線の高さまで掲げて見せると、Aは分かりやすく目を輝かせた。
「やったぁビール！！って…飲みかけなんだけど！？」
詰め寄るAに、クロロは平然とした顔で「俺の飲みかけだが」と返してやる。
「…新しいのでいいわよ」
「なんだ恥ずかしいのか」
「違うわよ！別に飲んでやってもいいけど、新しい方がいいでしょうが！」
「悪い、俺が全部飲んだ。元々本数もそんなに無かったしな。と、まぁ俺はいい感じに酔ってきたし…やるよ」
「ねぇ、もしかして貴方の辞書に“デリカシー”って言葉なかったりする？？？」
というか、酩酊状態で仕事するな。と、最もなことを言いながら、クロロの両肩を掴みぐわんぐわんと揺するA。
そんなAを目にして、パクノダは「…あの子、大物になるわね絶対」と呟く。
他者に物怖じせず、普段通りのまま接することが出来る人間というのは思っている以上に少ない。
あれは完全にAの才能だ。
飲めよだのいらねーよだの、未だに無駄な攻防を繰り広げる中、ふと携帯の規則正しい着信音が二人を止めた。
さらっとAに飲みかけの缶ビールを押しつけ、クロロは携帯に出る。
「…」
不服そうな顔をするAは、缶を持ったままヒソカの方へ戻っていく。
「？」
突然、傍までやってきたAに疑問符をヒソカは浮かべていると、Aが濁りのないやたら無邪気な表情を見せた。
「あげる」
「君ねぇ…♢」
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鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
