528：動樂 ページ32
まさか、腕相撲大会で油売ってるだけなんて無いわよね。
Aはわざとらしく訊ねると、シズクが「今からオークション時間なんです」と好意的にAへ返した。
「あ、本当だ」
Aは携帯画面で時間を確認する。
確かに、もうそろそろ始まる時間だ。
「Aはどうするんだ？」
「一応、クロロからアジトで待機って言われてるけど…人員足りてないの？」
会場マップとかくれたら、ある程度上手く動けると思うけど。
サラリと、やはりプロだなと思ってしまう発言をするA。
これに関しては、嘘でもなんでもなく本心である。
すると、フランクリンは笑って「いいや、人手は十分すぎるぐらいだ」と返した。
それに対し、Aも同じように笑って「間違いないわ」と述べる。
「盗むのが本職だものね。じゃあ…頑張って」
「盗むに頑張ってっていうのも、変な感じですけどね」
シズクが笑うと、Aもそれに釣られるように喉奥で柔らかく笑い返してみせた。
そして、短く二言程度交わし、Aが彼らの元から去ろうとする矢先。
「あ、」
思い出したように空で呟くと、徐に相変わらず不機嫌なフェイタンの耳元へ口を寄せた。
「頑張ってね」
わざとらしく囁く。
すると、今度はプチンではなくブチンと何か太い血管でも切れたような音を鳴らして、思わず仕込み刀を抜こうとするフェイタン。
「やめろフェイタン、Aの思う壺だ」
「あの女殺す…！必ず殺す…！帰り次第殺してやる！！」
完全にキレているフェイタンを羽交い締めにし抑えるフランクリンに、Aは、あーおもしろと言わんばかりに機嫌良さそうに去っていってしまう。
「切り刻んで魚の餌にでもしてやるね…！！」
「気に入られてんだろ、甘んじて受け止めとけ」
「そうですよ。女の子は自分に楯突いてくる子が可愛く見えるもんなんです。多分」
「多分かよ」
シズクは相変わらずだな、とフランクリンはため息をついた。
夜の街、繁華街の喧騒の中Aはぐっと背伸びをする。
「ん〜〜〜、さてと、私も依頼頑張るか〜」
彼らが別れた数時間後、ヨークシンシティ某所の地下競売場が襲撃をうける。
そこでは、何百の人間が居たというのに、のちに援軍に来たマフィアは信じられないものを見ることとなるのだ。
地下競売には、人ひとり残っていなかった。
一体、彼らは何処へ行ったのだろうか。
無数の弾痕と血痕の山々だけが、そこにあったであろう惨状を想像させた。
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鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
