522：昔の話 ページ26
「しかし...まさか、数年前のジンさんの予想が当たるとは」
Aは、そう呟いて神妙な顔で彼ら三人を眺めた。
『グリードアイランド』
その言葉が出た時、Aは不覚ながらも動揺してしまった。
すぐに取り繕いはしたものの、そのワードがまさかあのゴンから出るとは思っていなかったからだ。
勿論、弟から出た時もかなり驚いたが、ゴンの口からはそれ以上の驚きがあった。
数十年前の話だ。
当時は、旅を共にしていたカイトも一緒に居た。
二人並ばされ、ジンに言われたのだ。
「いいか、今日のことは他言無用！」
人工物の灯りがひとつも無い、星と月と焚き火の炎だけが我々を照らす。
砂漠の夜は寒い。
今日は満月なのか、と空を見上げると「お前ら二人共髪が白いから余計寒く感じる」と訳の分からないイチャモンをジンに付けられたのを覚えている。
Aは毛布にくるまって、「他言無用？『グリードアイランド』は完成してるのに、ですか？」と疑問を突きつけた。
別に誰かに言いたかった訳では無かったが、いまいち彼の言葉の意味が分からなかったから訊ねたのである。
「分かりました。他言無用ですね」
「ちょ、」
横で同じように毛布にくるまったカイトが平然と言うので、思わずAは「おいおいおいおい」と詰め寄る。
今のAからは想像出来ないかもしれないが、Aの高飛車なお淑やかさはこの後に身についたもので、12歳そこらの彼女は好奇心と共に生きているといっても過言ではないほど落ち着きのない子供であった。
「カイト！君、ちょっとは疑問を持つとかした方がいいぞ！？何でもかんでも、はいと頷いて聞き分けが良すぎる君の人生が今からこの友人である私は心配だ」
「近い、鬱陶しい。ジンさんはこんな感じだが功績もしっかり残してる、歴とした先輩ハンターなんだ。無意味な事はわざわざ俺達には言わない」
ぐいーっと、不躾に片手で『近い』と頬を押してくるカイト。
こいつめ、友達だからって遠慮とかないのか。
「大体、俺はAの方が心配だ。すぐ危ない橋を叩かずに渡ろうとするし、」
「うッ」
「短気だし、」
「うッ」
「呆れるほど自信家だし」
「別にそれ悪くないでしょ！」
おら、こっち見ろよ。
詰め寄ってみるものの、カイトは平然とした顔で明後日を眺めていた。
そんな二人の空気に、ジンは「お前らが仲良いのは分かった分かった！」とやけくそに述べる。
不服そうなA。
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鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
