009:授業開始 ページ9
徐々にAは頬杖から顔を浮かしていく。
そこまで自分も馬鹿じゃない。
でも、詳しいことは分からない。
『呪術』って結局なんだ?
「死んだ理由…違うの?」
Aが尋ねると、夜蛾は隠す事なく頷いた。
「通りで、秋星が熱心に頼んだわけだ。こんな力を持っているのに、何も知らないとはな…」
夜蛾はチョークを持ち、「一つ、授業をしてやろう」と述べた
黒板に、『呪術師』と文字が書かれる。
「端的に言うと、お前の母親は呪術師だった」
「…占い師かなんか?」
「違う。お前、呪霊は見えるか?」
Aが黙っていると、夜蛾は「人以外の者だ」と付け足した。
その言葉に、「あぁ!」とAは声を上げる。
「私が引き付けちゃうお化けか!へぇ…名前があるんだ」
「お前の重度の引き寄せ体質は、生前母親から聞いている。相当、酷い体質らしいな」
「まぁ、私しか見えないっぽいし……アンタ、見えんの?」
夜蛾は黒板に、『呪霊』という文字を書き足すと、矢印で『呪術師』と『呪霊』を結んだ。
「呪術師というのは、呪霊を祓う人間達の呼称だ。呪霊の生まれは様々だが、大抵は人間の恨み嫉みといった”呪い”に相当する感情から生まれる」
『術式』という言葉が追加された。
「呪術師は俺含め、お前の母親や他にも沢山居る。お前、母親の葬儀で御三家と顔合わせただろ」
「誰それ」
「それも知らないのか…呪術界を牽引している名門家系だ。」
『加茂家』
『禪院家』
『五条家』
Aはぽけーっと文字を眺めた。
「この三つも呪術師の家系だ」
「葬式の時、私がキレてお茶ぶっかけた相手は?」
「…禪院直毘人。残念な事に、現当主だ。完璧に目をつけられたな、お前は」
「へぇー、偉い爺さんだった訳だ」
Aが悪びる様子はない。
彼女の性格上、売られた喧嘩は買うというのがポリシーだ。
「加茂家は、京都に拠点を置いている。それと、五条家は覚えておけ。とんでもないのが居るからな」
「私より?」
「今のお前じゃ呪術師の中では誰とも並べん。」
夜蛾の言葉にムッと顔を顰める。
そんな夜蛾は全く気にも留めず授業を続けた。
「ちなみに、五条家の人間が来年高専入学が決定している」
「ほう、後輩ってことか。虐めちゃお♡」
「虐められる側だぞ。何故なら、六眼と無下限の___お前に説明しても分からんか」
夜蛾は言葉の最後に、とにかくと言葉を付け足す
「この学校は、そういった呪術師を育てるための学校というわけだ」
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鼻毛太郎(プロフ) - ぱぴこさん» コメントありがとうございます🙌🤍強くてかっこいいクズが好きなのでこの結果なのですが、気に入っていただけたならばとても嬉しいです…!是非、引き続き楽しんで頂けたら幸いです^^ (1月21日 2時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - パパ黒かっこよすぎ (1月21日 0時) (レス) @page34 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 黒さん» コメントありがとうございます!🙌裏側ではいつかに向け百鬼夜行をちまちま書き溜めておりますので、いつか皆さんにお披露目できる日を楽しみにしております😌それまで暫しお待ちを…! (2022年2月16日 21時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
黒 - ギャル夢めっちゃ好きです!!🥺鼻毛太郎さんがかく百鬼夜行楽しみです😚 (2022年2月16日 17時) (レス) id: ab6a15c201 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あーさん» 頭いいなんて言われてだいぶニマニマしてます😎とはいいつつ、本人は過去に適当に張った伏線のおかげで矛盾だったり色々苦しめられているんですけどね!!笑皆さんが読んでくれれば私は嬉しいんです🥺素敵なコメントありがとうございました!🌸 (2022年1月31日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月27日 22時