【呪術廻戦】呪術とギャル-0-

002：2018＋ ページ2

伏せていた伏黒と野薔薇も顔をあげた。
悠仁はタレに肉をぽちょぽちょと沈め、「いやぁさ、」と口を開いた。


「五条先生とか、Aとか…どんな学生時代を過ごしたのかなぁって」


悠仁の何気ない言葉に、Aは重たそうな睫毛をぱしぱしと瞬かせた。

「Aさんの学生時代、聞きたいかも。…五条のはいいや。」

「え！？先生のも聞きてぇだろ！？」

「べっつに興味ないわよ。私はね、キラキラギャルの都会人生しか聞きたくないのよ。参考にすんの」

「…」

横で黙っている伏黒の瞳が物語るは、『それAさんじゃなくてもいいだろ』であった。
しかし、言えば確実に面倒な絡み方をされるので言わない。
伏黒は引き際がわかる男だ。

Aは悠仁と野薔薇の言葉に、「へぇ、学生時代かぁ…」と零した。
頬杖をつき、懐かしむ声音。
野薔薇と悠仁はAに目を向け、今か今かと彼女の口から紡がれるのを待つ。

実際、黙々と食べ続ける伏黒もAの学生時代には興味があった。


高専史上一番の最弱が、天才へと昇華した物語。


Aは猫のような笑みを浮かべて見せる。


「じゃ、悟が来るまでちょっと昔話してあげる。」



誰も知らない。
可借夜Aの青さを帯びた春の物語。




彼女は高専一年の四月、大きな人生の過ちをすることとなる＿＿＿＿。

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