29:焦り ページ32
ドタドタ、という誰かが廊下を走り抜ける音に、
書簡に目を通していた顔を上げる。
土方(…何だ、騒がしいな。)
間も無くして、今度は近藤さんの大声が響いてくる。
近藤「…何!?おい、詳しく説明しろ!」
近藤さんの慌てっぷりに、何事かと部屋を飛び出すと、
そこには近藤さんと斎藤の姿があった。
近藤「…!トシ、いい所に!」
斎藤「土方さん…。
Aが、市中で何者かに斬られたようです。」
斎藤の言葉に、一瞬頭が真っ白になる。
土方「…は?」
鴨「…おい、その話は本当か?」
いつの間にか後ろに立っていた芹沢が、会話に入ってくる。
斎藤「はい。
町人の話によると、斬られた後は一緒に居た男に介抱されたようです。」
鴨「…斬った奴は、男か?」
斎藤が頷くと、
芹沢は「チッ」と舌打ちをした後、こう告げた。
鴨「…さっき血で濡れた刀を持ってふらふら歩いてる奴が居たから、屯所まで引っ張ってきたんだよ。
今は沖田が尋問してるところだが…
恐らくそいつが斬ったんだろう。」
その言葉を聞き、総司とそいつが居る場所へと向かおうとすると、
近藤「待て、トシ!」
と、近藤さんに止められた。
近藤「話は俺と芹沢で聞いておく。
トシと斎藤は、総司を連れてAを探しに行ってくれ。」
あまり事を荒らげると町人達が心配するから、慎重にな、
と付け足し、その場を去った二人の背中を見て…
土方「…行くぞ。」
俺と斎藤は総司と合流し、市中を駆け抜けて行った。
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まひろ(プロフ) - いえいえ!私もイケメン幕末大好きなので!!この小説にであってよかったと思ってます! (2018年1月23日 16時) (レス) id: f47c06bc73 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - まひろさん» まひろ様、コメントありがとうございます(o^^o)そう言っていただけると嬉しいです! (2018年1月22日 23時) (レス) id: f35332ebbf (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - すごく良い小説ですね!応援してます。 (2018年1月17日 18時) (レス) id: f47c06bc73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2017年9月22日 0時