【イケメン幕末】１本の桜の木の下で【土方歳三】

25：抑えられない ページ28

A「…え？」


突然拒絶された様な気がして、


胸がチクリ、と痛くなる。


土方「…あー、別に拒絶してる訳じゃねぇよ。


ただ…。」


ふ、と私から視線を逸らした後、


土方「…普段から我慢してんのに、そんな格好で近くに居られちゃ困るんだよ。」


少しずつ小さくなっていく声で、最後の方が聞き取れず、


A「今、何と仰いましたか？」


と、聞き返すと、


またも熱の篭った視線を向けられた。


土方「…抑えられなくなるっつってんだよ。」


A「っ！」//


かぁっと、自分の顔が熱くなるのが分かる。


赤くなった顔を見られるのが恥ずかしくて、顔を俯かせると、


土方さんの熱い手の平が、私の頬を包み込んで持ち上げる。


A「っ、土方さ…」


私の言葉を遮るように、優しい口付けが落とされた。


やがてゆっくりと唇が離れると…


土方「…これは、酔ってるからじゃねぇぞ。」


吐息が唇に掛かる距離で話される。


A「土方さん、ずるいです…。


自分から離れろって仰ったのに…。」


土方「…お前の顔に”嫌”って書かれて無かったからな。」


口の端を上げて、からかう様な笑みを向けられるけど…


こんな意地悪な顔も好きだ、なんて思ってしまう自分は、


だいぶ重症だな、と心の中で苦笑いした。

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