09:夜桜 ページ11
割と元気そうな姿に胸を撫で下ろして、
女将さんの家を後にし…
涼しい夜の道を、二人で並んで帰っていた。
土方「…お前、この後何かあるか?」
A「…?いえ、特にはありませんが…」
土方「じゃあ、ちょっと寄り道するか。」
ふっ、と微笑んだ副長に私は頷きを返して、着いて行った。
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A「えっ、ここって…」
辿り着いたのは、総司と見廻りの最後に必ず行く、
あの桜の木の場所だった。
土方「あー…総司がお前をここに連れて行ってやって欲しいって言ってたのを、今思い出してな。
本当は見廻りの時に行くつもりだったんだが…」
総司…
後でお礼を言わなきゃ。
A「そうだったんですね…。
連れて来て下さって、ありがとうございます。」
土方「気にするな。
…お前、ここが好きなんだってな。」
A「はい。ここに来ると、すごく落ち着くんです。
副長は、初めてご覧になりましたか?」
土方「いや、大分前に来たことがある。
…夜桜も、綺麗なもんだな。」
A「そうですね…」
街頭に照らし出された桜がキラキラと輝いていて…
暫く見とれていると、雨が降り始めた。
土方「…そろそろ帰るか。」
A「はい。…あの、副長。」
土方「ん?」
いつになく、優しげな視線を向けられて、
ドキン、と心臓が高鳴った。
A「また一緒に、この桜を見に行って下さいますか?」
副長は一瞬驚いた顔をして、
土方「…あぁ、もちろんだ。」
大好きな微笑みを返してくれた。
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まひろ(プロフ) - いえいえ!私もイケメン幕末大好きなので!!この小説にであってよかったと思ってます! (2018年1月23日 16時) (レス) id: f47c06bc73 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - まひろさん» まひろ様、コメントありがとうございます(o^^o)そう言っていただけると嬉しいです! (2018年1月22日 23時) (レス) id: f35332ebbf (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - すごく良い小説ですね!応援してます。 (2018年1月17日 18時) (レス) id: f47c06bc73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2017年9月22日 0時