彼女の戸惑い ページ8
「…じゃあ、またねリラ。
近いうちに…今度はもっと綺麗な花を持ってくるよ」
去り際にそう話してから、僕は木の杭に背中を向ける。
そして指を一つ鳴らして僕はキャメロット王国へと戻った。
戻ったはずだったんだけど。
「……………え?」
瞬間移動した先には、目を疑うような光景が広がっていた。
まず目に入ったのは、崩壊した街。
あんなに賑やかだった店も、家も、ほとんどが跡形も無くなり整地のようになっていた。
そして足元に転がる聖騎士。
血溜まりがあちこちで出来ていて、そのどれもが息をしていないのがわかるぐらいに、見るも無惨な姿だった。
これは、どうなっているの……?
此処は本当にキャメロット王国……??
一体僕がいない間に何が……
「っ……!!
アーサー……!!」
ふと脳裏にこの国の若き王、アーサーの顔が思い浮かび私は無意識に彼の名前を叫んだ。
幸い、城とその周辺は無傷の様なので、もしかしたらそこにいると思い私は瞬間移動した。
お願い……無事でいて。
約束を、守らせて。
−−−
「アーサー!!!」
パッと目の前の光景が城の内部に切り替わり、私は彼の姿を探した。
するとその部屋には、懐かしい面々が揃っていて思わず目を見張った。
「あら?貴方は…」
「え……な、なん…」
その部屋にいたのは、涙ぐむアーサーと〈
そして___
「昨日振りだな、A」
___〈
ゴウセルは何故か全裸で、タオルを体に巻いた状態で僕に歩み寄り、そしていつもの調子で言葉を発した。
僕はもう、何がなんだかわからなくてアーサーの方を見遣ると、突如目の前に数多ものルーンが刻まれた鉄球が現れた。
これは……確か、マーリンの神器の……
『順を追って説明しよう。
まず、街の惨状についてだが…』
「し、喋った…?!」
まじまじと漂うマーリンの神器を見つめていると、不意にその神器から声が聞こえて僕は思わずたじろいだ。
しかもこの声……マーリンの声じゃねぇか。
「え…?えっ…??
ど、どうなってんだ?マーリンの神器って伝達機能でもあったの…??」
『それも含めて今から説明する。
とりあえず、今は触れないでくれ』
「は、はぁ…?」
彼女の言葉に私は唖然としながらも大人しく黙り込むと、彼女(の神器)は語り出した。
つい先程起きた、惨状を。
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*IJu*(プロフ) - 如月李瑠葉さん» コメントありがとうございます! ツンデレ良いですよねツンデレ(( そんな、天災だなんて…← 僕には非常にもったいないお言葉でず…_( _´ω`)_ (2017年1月9日 12時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
如月李瑠葉 - これも面白いですね!夢主のツンデレっぷりがイイ…天才ですか!? (2017年1月9日 1時) (レス) id: 5cf1189260 (このIDを非表示/違反報告)
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