彼女の否定 ページ6
そんな、まさか……
信じられなくって、もう一度その本の表紙と中身を確認するが、やはり事実は変わらない。
題名の代わりに描かれた紋様に、魔女族にしか読めない独特の書体。
これは紛れもない。
正真正銘の『
何故、コレがリラの家の本棚にあるの…?
コレも僕の魔道書……?
…いや、それはない。
だって表紙に描かれている紋様が違うから。
それに僕は元々魔道書は2冊しか持っていないはずなので、違うはずだ。
だとすると、他に考えられるのは……
そこまで考えて脳裏に浮かぶのは、愛しい親友の顔。
…まさか、彼女の………?
「そ……そんな、まさか」
思わず笑ってしまった。
いや、まさか彼女も魔女族だっただなんて。
そんなのないよ。ありえない。
まずそうだとしたら、何故彼女は僕に言ってくれなかったんだろう?
だって僕は彼女に言ったんだ。
自分は魔女族と人間の間に生まれたんだって。
魔女族なんだって。
同じ魔女族なら言ってくれただろうに。
何故言ってくれなかったんだろうか。
信用されていなかったんだろうか。
………いや、そんなはずない。
リラは言ってくれたんだ。
『私はAの事を信じてるわ』って。
だからそんな、リラが教えてくれないわけ……
「……………そう言えば……
僕、彼女の種族について、何も知らないや…」
ふと考えていて、気付いた。
知らない。聞いた覚えもない。
よく考えたら、僕は彼女が人間なのか魔女族なのか知らなかった。
人間の村に住んでいるから勝手に『人間』だと思っていただけなんだ。
人間と仲良くする彼女を見て、彼女も人間なんだと思っていただけなんだ。
「………え……?
う、そ……でしょ……?」
僕は思わずその場にへたり込み、本の表紙を見つめる。
………リラ、貴方は一体、何者なの?
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*IJu*(プロフ) - 如月李瑠葉さん» コメントありがとうございます! ツンデレ良いですよねツンデレ(( そんな、天災だなんて…← 僕には非常にもったいないお言葉でず…_( _´ω`)_ (2017年1月9日 12時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
如月李瑠葉 - これも面白いですね!夢主のツンデレっぷりがイイ…天才ですか!? (2017年1月9日 1時) (レス) id: 5cf1189260 (このIDを非表示/違反報告)
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