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彼女の嫌い ページ22

「…ところでマーリン、僕を《豚の帽子》亭まで運んだのって誰?」



マーリンの幻術に感心しているとふと気になり、僕は何気無く彼女に尋ねた。


すると彼女は微笑みを湛えながら答えた。



「Aが考えているその人で大方あっているであろう」

「あー、うん、だよね。
あとでぶん殴って来るわ」

「物騒なヤツじゃな」



うるせー、だったらアイツに操られてみろ。


ああ、でもあんまり傷物にすると“体”がダメになるから、殴るのはやめてあげようかな…

痣でも出来たら、きっと“彼女”も嫌だろうし。



「…ねぇ、A。
もう少しゴウセルの事考えてあげたら?」



少し怒りを抑えて考えていると、ふとキングが僕の顔を覗き込んでそう述べた。


その言葉に僕の眉間はピクリと反応すると
思わず眉を顰めて、彼を睨みつけた。



「…は?」

「確かにゴウセルはAに酷い事をしたよ。
それを許せないのもわかってる。

でも、ゴウセルはきっとまた仲良くしたいんだと思うんだ。
だって、ゴウセルはいつも…」

「あんな奴と仲良くなった覚えなんて、ないんですけど?」



少なくとも、僕の中では1度たりとも。


だってアイツ、いっつもいっつもしつこく追いかけ回して来るし、話し掛けて来るし、すぐ触ろうとするし。

僕はしつこい奴がこの世で一番嫌いなんだよ。



「ただただしつこく付き纏われてるんだけど。ストーカーされてるだけなんだけど。
それに、仲良くなった所でどーせ記憶塗り替えられるだろうし。

そんな不気味な奴が僕と仲良くしたい?
考えただけでも反吐が出る」

「な、何もそこまで言わなくても良いじゃない!
ゴウセルだって、ゴウセルなりに考えて…」

「考えた所で、そこには何も無いよ。

だって、お人形に心なんて無いんだから」



最後ら辺は吐き捨てるように、感情のままに言ってやった。

するとキングは言葉を詰まらせて、黙って僕を睨んだ。



…何であんな野郎の肩を持つんだ、コイツ?

僕がアイツにされた事、コイツに話したはずなんだけどな。



「……意味わかんない」



思わず不満を呟くと、僕は彼に背中を向けて歩き出す。

途中でジェンナに引き止められたけれど、イライラしていた僕はその全てに聞かないふりを決め込んで、そのままその場を離れて行った。



キングは何も言わずに、ただただ拳を握り締めていた。

妖精王の憂鬱→←彼女の催促



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*IJu*(プロフ) - 如月李瑠葉さん» コメントありがとうございます! ツンデレ良いですよねツンデレ(( そんな、天災だなんて…← 僕には非常にもったいないお言葉でず…_( _´ω`)_ (2017年1月9日 12時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
如月李瑠葉 - これも面白いですね!夢主のツンデレっぷりがイイ…天才ですか!? (2017年1月9日 1時) (レス) id: 5cf1189260 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年3月15日 23時

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