彼女の搜索 ページ16
気付いたら僕は、見覚えのある“部屋”に寝転がっていた。
いつの間にか眠ってしまっていたのだろうか。
まだぼんやりする頭で考えながらむくりと起き上がると、僕は周りを見渡した。
雑に置かれた物、物、物。
使うのか使わないのかも怪しいガラクタ。
そして、本。
此処は………
「………また、あいつか」
自分の今いる場所を理解すると、僕は憤りと共に長い溜息を吐いた。
此処はきっと《豚の帽子》亭の物置部屋だ。
前にも似たような展開があった。
となると、連れて来たのは絶対にヤツだ。
寧ろヤツ以外に考えられない。
「……つか、妙に静かだな……?」
心の中で文句を言っていると、ふと周りが静まり返っている事に気付く。
此処は団長が経営している《豚の帽子》亭。
つまり下の階ではお客さんがお酒を飲んだり騒いだりしているはずなのに。
まぁ、お客さんが今はいないにしても、この建物内に誰かしらはいるはずだ。
それなのに、人っ子1人まるでいないかのように静まり返り、私の呼吸する音だけが部屋に響く。
……皆、今は出掛けているのだろうか?
それとも、何かあって………
「……」
僕はそばにあった黒い魔道書を抱え、そして紫と青の魔道書をキャメロット城の私の部屋から瞬間移動させて僕の手元へと持って来る。
そしてそれらを自分の周りに浮かせると、僕は目を閉じて髪の毛数本を操って床の木目に這わせ、そこにある隙間や穴に忍ばせた。
「“
そした意識を毛先に集中させながら髪の毛をさらに奥へと進ませると
やがて下の階に辿り着いたようで、そこの情景が脳裏に浮かぶ。
この術は簡単に言うと、自分の髪の毛を目の代わりにする事が出来るんだ。
数本程度なら細くて目視されにくいし、狭い隙間なども気にせず潜入出来るから、結構便利なのだ。
確かこの下はバンとキングの部屋だったはずだが…
どうやら誰もいないようで、綺麗に整えられたハンモックと、対称的にぐちゃぐちゃになってあるベッドがあるだけだ。
更に僕は髪の毛を壁伝いに下へと向かわせるが、どの階も人の姿は見当たらなかった。
「………あれ?」
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*IJu*(プロフ) - 如月李瑠葉さん» コメントありがとうございます! ツンデレ良いですよねツンデレ(( そんな、天災だなんて…← 僕には非常にもったいないお言葉でず…_( _´ω`)_ (2017年1月9日 12時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
如月李瑠葉 - これも面白いですね!夢主のツンデレっぷりがイイ…天才ですか!? (2017年1月9日 1時) (レス) id: 5cf1189260 (このIDを非表示/違反報告)
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