サッカーと大罪人とお好きな松とヒーローと【短編集】2 (ページ9)

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何度でも【ゴウセル】＊アヤ様リクエストページ9

「A」

俺に呼ばれると「どうしたの？」と駆け寄って来るA。

そんな彼女の手を引くと、俺は真っ先に屋根裏へと移動する。

「え？何？どしたの？？」

「……今日、団長と何回話した？」

後ろ手で扉を閉めてから、彼女に尋ねる。
するとAはギョッとしたような表情をしてから、引き攣った笑顔を浮かべた。

「…えっと、どうしたのゴウセル？
いきなりそんな事…」

「いいから、答えろ」

「何なんだ…」と呟くように言うとAは少し考えるような素振りを見せ

やがて、首を傾げながら肩を竦めた。

「…3回くらい？」

「いや、5回だ」

彼女の間違いを訂正すると彼女は「そんなに話してたっけ？」と首を反対側に傾げて顔を顰める。

ああ、確かに話していたさ。
俺は今日、片時もAの姿から目をそらしていないから、絶対だ。

団長との朝の挨拶に1回

厨房で団長からエールを持って来いと言われた時に1回

そして3回、カウンター越しに他愛もない話で談笑していた。

「しかもお前はエールを持って行った時、団長の肩と接触していた」

「へっ…？」

「更には朝、バンが起きて来た時に頭を3回撫でられ
キングに至っては階段から足を踏み外した時、彼に支えられていた」

「そ、そんな事まで……」

Aは苦笑すると「別に良いじゃん、それぐらい」と呟いた。
俺はその言葉が見逃せなかった。

彼女の方へとﾂｶﾂｶ歩み寄り、そして彼女の肩を強く握る。
するとAは痛そうに顔を歪めたが、今はそんなの気にしていられなかった。

「俺という彼氏(モノ)がいながらなんだ、ソレは。
お前は俺の彼女(モノ)だろう？？
何故ソレがわからない？？？」

「っ…るっせぇなっ！！」

Aによく言って聞かせてやると
彼女は俺の手を払い、驚く事に平手で俺の顔を叩いた。

〝久し振りの感覚〟に俺は目を丸く見張ると、Aは先程とは違い、明らかに敵意があるような目で俺を睨みつける。

「私、思い出したんだから！
私は別にアンタじゃなくて別のヤツが好きだって。

アンタが私を操って、私を彼女(モノ)にしたんだって！」

怒気を孕んだ声でそう言うと、Aは「最低だよね」と吐き捨て、俺のすぐ横を通り過ぎる。

彼女のその浅はかな行動に、頬が緩むのを感じた。

「＿＿なら、この後の展開もわかっているだろう？」

俺は腕を掲げて神器を取り出すと

彼女に向けて、光の矢を放った。