サッカーと大罪人とお好きな松とヒーローと【短編集】2 (ページ33)

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放課後の睡魔【爆豪】＊葵彗様リクエストページ33

突然だけど、私は幼馴染みの爆豪勝己に嫌われている。

原因はきっといつも出久といるからだろう。

彼は出久に何かと突っかかってくるし、中学の頃は酷かった。

そんな2人の仲を繋ぎ止めようとしたのは私だ。

中学の頃はかっちゃんとも普通に話せていたし、何なら放課後に一緒に寄り道した事だって、休日に2人で出掛けた事だってある。

もちろん出久とも同じぐらい普通に仲が良かったから、私が真ん中に入って2人を説得すれば、いつかまた昔みたいに3人で笑い合えると思ってた。

……でも、いつの間にか私は出久の方に肩を入れ過ぎてしまったらしい。

そりゃそうだよ、だっていつも出久は理不尽な事でかっちゃんに因縁を付けられる。

そんなの、よっぽどの非がない限り弱い方の味方になるに決まってるじゃないか。

それがきっと、嫌われた原因。

今じゃ目が合っただけで睨まれるし、話し掛けようものなら「クソ女！」と足蹴にされてしまう。

随分と嫌われてしまったものだよ。

「…」

「…」

……ところで、何故唐突に爆豪勝己に嫌われている話をしたかと言いますとね

今ね、私ね、彼と2人きりで教室に残っているんだ。

いや、2人きりと言っても決して仲良く甘い時間を過ごしているわけではなくって

私は相澤先生に課せられた課題のプリントを居残りという形でやっていて
かっちゃんは私の2つ後ろの席に腰を下ろして、ただただ何もせずに私を見てる。

…いや、見張ってる？

「(視線が気になる…ていうか何でかっちゃんまだ教室に残ってんの？
もう下校時刻とっくに過ぎたよ？5時を知らせるチャイムはとっくに鳴りましたよ？
てゆうかなんか睨んでない？めっちゃ睨んでる。うん睨んでる。どうしよう、いきなり“個性”ぶっぱされたら。私は今日彼の気に障る事したっけ？いや、出久と一緒にいるだけで彼の気に障るか、ああ、うん死んだこれ)」

頭の中は1人パニック状態。

出久みたいに声には出さないけれど、ﾌﾞﾂﾌﾞﾂと心の内で呟く。

でも今やってる課題をやらないと先生に帰してもらえそうにないし、課題に集中しなくちゃ。

集中、集中、集中。

かっちゃんなんて気にしないで、課題に集中…

「おい、そこ間違えてる」